「地球の歩き方」の歩き方

uiui2016-04-09

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旅行情報本のシリーズ「地球の歩き方」がどのように生まれ、変化していったか。
それは日本人の旅行がどう変わってきたかという歴史。
経済や文化、生活様式、思考の変化が浮き彫りになる。

海外旅行は、お金と目的を持った人だけが行くものだった。
旅程も決めず、特に目的もない渡航なんてありえなかった。
企業向けに団体旅行を組んで、旅行会社が決めた通りの旅程をこなすスタイルがあっただけ。



そこに「お金も目的もないけど、時間だけはたっぷりある」という学生をターゲットにした「自由旅行」を売り出したダイヤモンドスチューデント友の会(DST)。
この会社の4名が「地球の歩き方」の生みの親。
当初は自分の足で現地で情報を集めていた。
そして、その頃はA6サイズの非売品だったらしい。
お金はなくても情報があれば、海外を旅することができるのだと若者たちの背中を押すためのツールだった。

情報の集め方が変わり、情報は正しいことが求められるようになった現在。
以前は自力で旅をしていた人が多く、「地球の歩き方」の内容を更新していくのも旅人だったのに、今では本の通りに旅をしようとする人が増えてきた。
だから、本と現地が異なっていると「苦情」となってしまうのだとか。


小口青のエピソードは興味深い。
あの青がアピールになって、青を真似した本も持っていた人が海外で「地球の歩き方を持っているから日本人に違いない」と犯罪の標的になったこともあるらしい。



この本を読んで、私の「地球の歩き方」の使い方は正しいのかもとちょっとうれしくなった。
この本の内容をきっかけにして、自分で調べ、情報と知識と想像を膨らませていく。
そこから旅が始まっている。
地球の歩き方」に書かれていなかったことや異なっていたことを発見した時、ちょっとしたうれしさを感じてしまうしね。
地球の歩き方」の地図は良いと思う。
日本語と現地の言葉の両方で表示がされているので、道を尋ねる時も分かりやすい。
拡大コピーして、あれこれ書きこんだものを持っていく習慣になってるよ。