兵士は戦場で何を見たのか

兵士は戦場で何を見たのか (亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズ II-7)

兵士は戦場で何を見たのか (亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズ II-7)

今年2月に発刊されたばかりのノンフィクション。
イラク戦争の前線に赴いた第16連隊第二大隊と行動を共にした著者の記録。
立派な男たちが1年間でどのように壊れていったか。
四肢がもぎ取れた者、頭が削れた者、そして心が崩壊した者。
ドラマチックでスリリングな戦いなどない。これでもか、これでもかと人間の尊厳を削がれる日常が続いていく。
戦場から離れても失った尊厳は戻らない。人間としての自信を失ったまま。
巻末にはこの大隊全員の名前が並び、亡くなった兵士の写真が掲載されている。
彼らは尊いことをしたのか、命をドブに捨てたのか。
著書「帰還兵はなぜ自殺するのか」の前編になる書だそうなので、こちらも是非読んでみたい。