日航機事故の謎は解けたか/御巣鷹山墜落事故の全貌
- 作者: 北村行孝,鶴岡憲一
- 出版社/メーカー: 花伝社
- 発売日: 2015/08/12
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログ (2件) を見る
事故と同じ日だね。
悲劇としての感情ではなく、「事故調査」にどんな組織がどんな風に関わって進められたかを細やかに報告。
かなり内部的なメモや技術資料も掲載。
異常発生時の機内で、乗務員たちは酸素マスクをしていなかった証言や写真(乗客が撮影していた)があり、気圧の急激低下の推測が崩れていく過程は推理小説のよう。
ボーイングと日航のどちらに責任があるか。
またボーイングの修理ミスが発覚した際の、国による罪や責任の負い方の違い。
ボーイングは最後まで修理をした者の名前を発表しなかったのだけど、日本ではこの飛行機が以前に起こした尻もち事故の修理審査に「合格」を出した方が責任を感じて自殺してるんだよね。
この事故の原因により、米国のみならずB747を運航していた国が徹底審査を行うことで驚くべき数の亀裂を発見し、事故を未然に防げた。
事故調査を進めていくのは人間なのだと実感。
熱意と誠意と、その分野でのずば抜けた知識を持つ者。
これらが揃わないと、真実に近付けない。
事故調査が、技術だけでなく、倫理や文化そして政治さえも背負って進められる、まさに全貌が描かれてるよ。