日本人は、どんな肉を喰ってきたのか?

日本人は、どんな肉を喰ってきたのか?

日本人は、どんな肉を喰ってきたのか?

衝撃的な写真や記述だらけで、動物好きな人にはおススメできない本。
猟や漁は昔話じゃなくて、現代の取材。



まだ大人になりきれていないイノシシを罠にかけて、最後の一撃。
内臓を取り、血抜きをする。
皮をはぐ。
解体する。

つぶらな瞳のシカやハクビシン
トド、アナグマ



胸が痛い。



でもね。



私は、動物が大好き、傷つけるなんてかわいそうと言いながら、平気で肉を食べる。
そんな矛盾した人間なので、時々、自分に何かを言い聞かせたくなるのか、あえてこういう本を読む。
パックに入った切り身の魚や動物からは命の気配はなく、もはや工業製品。
人間は手を汚すことなく、罪の意識も命への感謝もなく、お腹を満たすことだけ考えてる。



TVでモンゴルに行った日本人男優が訪れた家で、目の前で家畜の羊を殺し、さばいて、「もてなし」としてふるまわれた時、泣いてしまっていた。
羊がかわいそうだと。
無造作に群れから選ばれた羊の運命を残酷に感じたのだろう。
多分、私もショックで食欲などなくなると思う。
しばらく時間が経つと男優は、命に感謝しながら食べ、美味しいと感じることもできたというコメントがあった。


スーパーの肉の牛、豚、鶏等は食用のために育てられ、計画通りに命を断たれ、パック詰めされているわけで、私が罪の意識に駆られる必要はないのかもしれない。
心を傷めることなく、栄養を摂ることができるなら、それにこしたことはないかもしれない。




本来あった「食」を知り、漁や猟がまさに命を支える仕事だったことを実感することができる本。