往復書簡

往復書簡

往復書簡

「事実」と「真実」って違うよね。
事実は1つだけど、真実は関係者それぞれが違うものを持っていたりする。
通常は、それぞれの真実がグルグルに絡みあっていて、その中にある事実は案外見えにくい。



「手紙」というcc:もBcc:もない、相手に届いて返事が来るまで時間のかかる、そんな1対1のツールを使うことで、グルグルがほぐされて、中に鎮座していた事実がポンッと出てくる感じがスリリング。
3話ともスリリングだよ。
「え、そういうこと!?」という展開がクルクルして、「手紙」がやっぱりもどかしいくらいだけど。

時を超えて、真実は色褪せて行くけど、事実はちゃんと生き残ってるのが意外。


そして、「事実と真実を知ること」と「事件の解決」イコールでないのが、この本のおもしろいところ。


この中の1話を映画化した「北のカナリアたち」は観てないけど、内容は随分違うのかな?