桃太郎話〜みんな違って面白い〜
- 作者: 立石憲利
- 出版社/メーカー: 吉備人出版
- 発売日: 2002/03/30
- メディア: 単行本
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ああ、あの昔話ねと侮るなかれ。
岡山県の伝承物語。
「伝承」というだけあって、地域によって、かなーり違う伝承をされているみたい。
この本には、微妙に違っていたり、違うオチになってる桃太郎が勢ぞろい。
まず驚かされるのが、桃の流れ方。
私が知ってるのは、「どんぶらこ、どんぶらこ」と流れてくる。
ところが、この本に「再話」として乗っている桃は、
ドンブリ カッシリ スッパイポー
ドンブリ カッシリ スッパイポー
と流れてくるのだ。
しかも、「きびだんごをくださいな」という者たちにだんごを
半分ずつしかあげない。
ケチ!!!
・・・じゃなくて、どうもかなり霊力の強いおだんごだそうで、丸1個食べたら、効きすぎちゃうから調整しているらしい。
ほんとに子供向けのお話か?
登場するのも、キジやイヌじゃなくて、牛フン、臼、ハチ・・・・???
それ、「猿カニ合戦」ですよねっ!!!!!
桃太郎が投げ捨てた木の株が海に流れ、竜宮城から乙姫様のお使いが来て、玉手箱を開けたら・・・
それ、「浦島太郎」だからっ!!!!!
日本の伝承話がすべて1つの物語の派生だったら、どうしよう。
他に、きびだんごの話がやたらと長い上に、鬼退治省略バージョン。
淡々と桃太郎の日常を語るドラマ性ナッシングバージョン。
桃太郎がすごく悪いコバージョン。
桃太郎が持つのがなぜ、きびだんごだったのかを説明するバージョンも。
貧乏なおじいさん・おばあさんには米が買えなかったからだという経済状況だったり、おにぎりだと鬼退治の旅の途中で硬くなるが、きびだんごは硬くならないという客観的見解を述べるもの。
桃太郎のお母さん(桃を拾ったおばあさんではない実の母がいるのだ!!)の話から始まるバージョン。
もはや、語りはみのもんた氏にお願いするしかありません。
「めでたし、めでたし」は、「むかしこっぷり、どじょうの目で後ぇねえだげな。」と言う地域もあるそうだ。
岡山だけでもこんなにいろんなバージョンがあるとは。
おそるべし、きびだんごの国。
岡山のメールアドレスドメインに「oni.net」っていうのがあるのを思い出した。