ファラオのレシピ
- 作者: ミシェルベリデイル‐ジョンソン,吉村作治,Michelle Berriedale‐Johnson,遠藤公美恵
- 出版社/メーカー: ミュージアム図書
- 発売日: 2000/06
- メディア: 単行本
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ナイル川のおかげで、様々な食材に恵まれた古代エジプト人。
壁画や墓に死者と共に埋葬された食物、今も残るエジプト旅行談などから、当時の食生活はかなり推測できるそうだ。
しかも実は、現代のエジプト料理はさほど変化を遂げていないらしく、素材は、楽に手に入りそうなものがほとんど。
ハト肉というのも登場するけど、これはクセがあるそうで、ひな鶏で代用するなどの工夫も添えられている。
ピタパンは主食であると共に、手で食べられない料理をすくうための食器替わりでもあった。
また、イーストを加えて、ドロドロのビールを作るのにも使われた。
そして、なんと賃金として与えられてもいたそうだ。
パンと同じくらい重要な食材は、豆。
香味野菜や果物も。
モロヘイヤ、ズッキーニ、ナス、カリフラワー、オクラ、ジャガイモ・・・・日本のスーパーで買えるものが多い。
魚は、ナイル川が氾濫した後は岸に上がっていたので、漁をする必要さえなかった。
水鳥もたくさんいた。
壁画からすると、食材用に飼っていたのかな?
暑い気候なので、食べ物はどんどん腐ってしまう。
当時すでに腐った食材の廃棄は、古代エジプトの悩みの種だったそうだ。
道や川に捨てられて、害虫・害獣が増えたり、環境が汚染されてしまうから。
そこで、飼っていた羊やヤギ、豚、鶏が食糧兼残飯処理班として大活躍。
料理は低い台に乗せられて、豪快に手で食べる。
貴婦人が肉の丸焼きにかぶりつこうとしている壁画が墓に残っているらしい。
酔っぱらうのも恥ずかしいことではなく、高貴な婦人が宴会で酔いつぶれている壁画もあるそうだ。
レシピの合間にある壁画画像が、ものすごい躍動感。生活のにおいがする。
横向きの顔しか描けなかった古代エジプト人の絵なのに、声や音が聞こえてきそう。
メインディッシュは焼く・煮るだけでなく、ソースをかけたり、保存用に塩漬けにしたりと多彩。
ナッツを多用するのも特徴かな。
もちろん、ピタパンの作り方もあるよ。
画像がないのが残念。
レシピは、「スープ・前菜・軽食」「メイン・ディッシュ」「デザートと焼菓子」に分かれている。
<メニューの一部>
・ナビブ(白いんげん豆のスープ)
インゲン豆を柔らかく煮て、つぶし、オリーブオイルとレモン汁を加えたスープ
・ホモス(ヒヨコ豆のペースト)
・エジプト風ゆで卵
鍋に卵と玉ねぎの皮またはコーヒーの粉を入れて最低6時間かけてゆでる。
・米とそら豆のコリアンダー風味のサラダ
・カリフラワーとアンチョビのレモン風味
・エジプト風白身魚のフライとコスバラの香味ソース
・ラムとアンティチョークのシチュー
・ハトのマハシ
鶏レバーと玉ねぎを炒め、ブルグア(ひき割り小麦)、パセリ、ミント、スープを入れて煮込む。
これをハトの腹に詰めるて、キャセロールに入れてオーブンで煮込む。
・甘いクスクスとドライフルーツサラダ
・セモリナ・ケーキ
・ハチミツとカルダモンのアイスクリーム
・イチジクのアイスクリーム