メロンパンの真実

メロンパンの真実

メロンパンの真実

キュートな外見。
素朴な甘さ。
表面のカリカリ感とパンのフワフワが合体。


そんなメロンパンを探究。



そもそもメロンパンの「メロン」って、何?




見た目がマスクメロンに似ている。
高級果物のメロンへの憧れから、似た形のパンの名前にした。
表面のカリカリにメレンゲを使っていて、「メレンゲ」がなまって「メロン」に
なった。



主に上の3つの説があるらしいけど、ほんとのところは不明。



科学編集者である著者だけあって、メロンパンを調べていくうちに、日本の菓子パンの歴史がひも解かれていく。
武士の時代が終わり、リストラされたサムライたちが、アンパンを作り始めたとか。
戦争に出かける時は、保存がきき、調理不要でその場ですぐに食べられるパンが重宝したとか。
私の地元である広島のアンデルセン(旧:タカキベーカリー)も登場。
米国移民が広島にパンを持ち帰り、パン屋を創業したのだそうだ。



メロンパン発祥についても諸説あり、よく分からないらしい。
パン生地にきな粉を混ぜて焼いた黄色いパンをそう呼んでいたという説もある。
昭和2年にはすでに、現在のようなメロンパンが売られていたそうで、発祥は大正時代半ばとも言われる。
米国や中南米からの帰国者が持ち帰ったのか、ドイツ人捕虜が作ったものか、日本人の奇妙な発明品だったのか。
実用新案として登録されたのは昭和5年
ちなみに、他に登録されているパンには「ドリンクパン」(だっけ?)というものがあり、パンの中に飲み物(容器ごと)が入っている・・・



各地のメロンパンも取材して紹介。
伝説のパン職人が帝国ホテルで焼いたもの。
新宿高野のメロンパンには、格子模様はなく、のっぺりとした表面で、パンには高級マスクメロンの果汁が40%もはいっているそうだ。
軍港で有名な広島県呉市は、海外のものが入ってきやすい環境だったと思われるけど、その名も「メロンパン」というパン屋がある。



呼び方もいくつかあるけど、どこかを境に呼び方が違うということもないようで、著者も立ち往生。
広島のアンデルセンでは、メロンパンを「サンライズ」と命名
私も何の違和感もなく「サンライズ」と呼ぶなあ。
でも、他の地域に行くと、メロンパンはオムライス型(著者はマクワウリ型と書いている)で、呼び名は「こっぺぱん」だったりする。
模様もマスクメロンのようだったり、大きな格子だったり、三本線だったり。
中身にクリームが入っていたり、白あんがはいっていたり。




メロンパン。
そのほんわりとした風貌に似合わず、かなりな高カロリーである。
ご飯1膳よりも高い。
著者は、この研究のための試食でかなりのウェイトオーバーとなったそうだ。