手塚治虫博物館
- 作者: 手塚治虫,小林準治
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1998/07
- メディア: 単行本
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手塚治虫が描いたマンガに登場する生き物・植物・・・中には実在しないものまでを、彼の下で仕事をしていた小林準治が解説する。
ただ解説するんじゃなくてね、手塚治虫がその生き物を漫画家として、どう位置づけているかや、どれだけ思い入れがあるかも説明。
手塚作品の解説書にもなっているのだ。
実際に作品から描かれている部分が抜粋してあり、どの作品のどういう場面なのかの但し書きまであるのだ。
作品の生き物版オムニバスといった感じ。
しかも、解説されているものたちがすごい。
トラ・ジャガー・ヒョウ・黒ヒョウ・ピューマ・ライオン・チータ・ウェコ/レオポン・・・・
猛獣系だけでもこんなに。
ネコの解説はあるのに、
ジャコウネコ
オオヤマネコ
イリオモテヤマネコ
更に
ノラネコ
ヘケートネコ
化けネコ
ヤギ・オカピ・ラクダ・ハムスター・・キタオポッサム・・・珍獣も混じりつつ。
マンモス
ナウマンゾウ
類人猿
原人
ヒト
ミイラ
人骨
両生類・爬虫類の章では、恐竜も出てくる。
もちろん?
鳥類の章では、火の鳥が出てくる。
草花・有用作物の章では、ヒョウタンツギが。
あれは植物だったのかっ!!!!
手塚治虫といういう漫画家は、医学博士号を持っているし、少年時代から自然科学に接する環境に恵まれていたため、作品には博物的な空気が充満しているのだそうだ。
ブラック・ジャックしか読んでいない私でも、たしかにそう感じるなあ。
私が知っている作品のテーマだけでも、森羅万象が背景にあり、生物学・地学・天文学・化学といったあらゆる専門知識が物語の細部を支えていて、太い幹であるストーリーの根となっていると思われるものが多い。
ブラック・ジャックも、あれだけたくさんの話しがはいっているのに、全然飽きないのは、そういった理由もあるんじゃないかな。
そうか、動物にも利き足があるんだ。
イノシシをずっと人間が飼っていると、ブタになってしまうって?
シマウマの縞は、黒い方なのか、白い方なのか・・・