たいがいにせえ

たいがいにせえ

たいがいにせえ

織田信長の行軍。
村上水軍などの海賊も巻き込んだ瀬戸内海での戦。
応仁の乱で何十年も途絶えてしまった祇園祭の復活。
バテレン船。



でも、この本では、歴史に残るできごとでの中心人物が主人公ではありません。
昔も今も、人と人との間に挟まって困っているお人好しさんっているもんです。
また、歴史に残る合戦の隅で、彼女に会いたいよぅ、だから戦に行きたくないようと泣き言を言っている兵士もいたはず。
しっかりとして頭も良いのに、人嫌い。ことごとく人に会う機会から逃れようとする引きこもり領主。
まったくの作り話ではなくて、実際の史実や実在した人物が混在しているから、「こういう人もきっといたのだろな」と思わせてくれます。



メイク・ドラマな歴史の嵐の中、ほんわりと時代を享受しながら生きる素朴な人々が主人公。
このギャップが、フフと笑いを誘います。
いえ、本人たちは大真面目で、一生懸命、悩み考えているのですが。