上海ベイビー

上海ベイビー (文春文庫)

上海ベイビー (文春文庫)

官能的な描写も多く、中国では発禁処分にもなった小説だけど、若い層に指示を得る。
官能的な部分は、読者をいたずらに挑発するために散りばめられているのではなくて、主人公であるココの憂鬱や焦燥を描くために省けないということかな。




真面目なのに、インモラル。
純愛なのに、交錯。




それを伝えるために必要だったのだろうなあ。




ココは、上海の女流小説家だ。
大学を出たインテリでもあり、異性も同姓もほっておかないほどの美貌も持ち合わせている。
天天(ティエンティエン)は、ココとお互いに絶対的な愛情を持つ、繊細な男性だ。
彼は、男女の営みの機能が精神的な原因のために失われている。
でも、二人の愛情は確固たるもので、一方が痛みを感じると、相手も同じように痛むのではないかというほどだ。
だから、自己嫌悪さえ伴うココの行為は、天天をも破滅に追いやることになる。
上海の熱気がそれを手伝う。
ドイツ人マークの想いは、執着なのかな。愛情なのかな。


各章の冒頭に、有名なアーティストや哲学者の言葉が添えられている。
私がよく読んだマルグリット・デュラスのものもいくつかあった。




さて、最近観た映画2本は、どうも・・・
「寝ずの番」は、なぜか1度も笑えなかった。
多分、センスの相違。

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「アルゼンチンばばあ」も情緒はあるんだけど、設定が浅く感じてしまって、「アルゼンチン」がタイトルに来る意味もあまり伝わってこなかったなあ。
私とは違う観方があったのかもしれない。
鈴木京香さんはおばあさん役だけど、やっぱりきれいだった。
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