動機

裁判官の法服。
妻のそばにいる時でさえ心にそれを纏っている者が、黒い衣を脱ぐきっかけ。それは、公判中の居眠りから始まる。






警察官の制服。
厳しい現場に自分の全てを投じてきた者が、罪を犯す動機。






葬儀屋の上着
女子高生殺人で投獄され、全てを失った男が息をひそめて生きている時に、殺人依頼の電話の誘惑。





罪から、自分を一番遠くに置き、衣裳にとって理想的な自分を創ることにわき目も振らなかったはずの人間にできた心のひび。
ある日、「動機」はやってきてしまう。
思慕を抱えた「悪人」ではない犯人に連れられて。
軽い失望感を抱きつつも、誰の人生にも地雷は埋まってるんだなあと思わずにいられません。