刑務所の中

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漫画。
著者の実体験をもとに描かれたもの。
漫画を描くために罪を犯したわけではなく、趣味で集めていたモデルガンの扱いが許可範囲を超えてしまったという「銃刀法違反」で、塀のあちら側へ。



ショーシャンクの空に」など、刑務所の中の非人間的な生活を描いている作品は多いけど、この漫画では大変日常的な塀の中を比較的淡々と描いています。
なので、かえって、


ぷっ。



と笑ってしまう部分が。



刑務所にいる人たちの人権問題なども取りざたされている昨今ですが、著者の体験した北海道の刑務生活を見る限りでは、生活の更正という意識が強い場所に感じられました。
刑務所というよりは、厳しい学生寮のようにも見えるかな。
とはいえ、他に楽しみがないので、食に意識が集中します。
食のことになると、えらく描写が詳しい。
刑務所での食事がどんなものかよぉく分かります。





バケツいっぱいの甘納豆が食べたい・・・・





なるほど。



拘置所なら、お菓子も買えるみたい。
ふぅむ。



「1日があっという間に過ぎてしまう」という著者の感想にはオドロキです。
人にもよるのだろな。
これを読んだら、刑務所が怖くなくなる人もいるのでは?と心配しています。




ところで、著者と一緒に入所していた藤山さんは、うっかりあることをして、独房に入れられてしまいますが、その「あること」とは何でしょうか。
なぜ、これをすることが独房にいれられるほどのことなのか、私には分かりません。(しかも、懲罰のはずの独房の生活の方が良いというのも不思議)





読んでいくと、せっかく出所しても、「なんとかして、刑務所に戻りたい」という人がいるのが理解できそうな気がします。
まあ、この規則正しい21時消灯の生活は、普段寝る時間を惜しんで、仕事・遊び・情報収集・・・という過密な生活をしている人には過酷かもしれませんね。
そして、タバコなど嗜好品に中毒症状を持つ人はつらいですね。