笑の大学

笑の大学 スペシャル・エディション [DVD]

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先日の日経夕刊だったかに、「ロシアでも上映」(だっけ?)という記事を読んで、見たくなった。
海外のコメディ映画は、どんどん日本にはいってきてるけど、このテの映画が海外に出て行くなんてすごいなあ。どう伝わっていくのかなあ、という興味が湧いたのです。
中国だったら、この映画は上映無理だねー。



戦時中における、大衆劇の台本に対する検閲がテーマ。
前半の検閲官に扮する役所広司さんとのやりとり、後半の検閲官のバックにある権力と文化の戦い・・・



「ペンが勝手に滑っていくんです!!」




この辺のくだりは、おもしろかったなあ。
笑ったー。




暗くて質素な検閲室(まるで警察の取調室みたい)で、「笑い」を訴えるというミスマッチが、稲垣吾郎くん扮する脚本家の静かなる戦いという雰囲気を醸し出しています。
後半の重いテーマにおいても、稲垣くんのテンポの変わらない淡々とした姿が、安易な涙を誘うのではなく、全体的な重みをつけることに成功してる気がする。



余計な想像だけど、この映画の制作費は安い方だったんじゃないかなという気がするなあ。
ロケもあまりしてないようだし、出演者も少ないし、場面設定もそんなにあれこれないから。
舞台を見ているような感覚でした。
その感覚が、かえって、頑な検閲官の心情の変化を鮮明にしていたように思うよ。