兎の秘密
- 作者: 佐野洋
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2001/05
- メディア: 単行本
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ウサギのチャッキー?
昔話って、教訓がらみのものが多いですよね?
私自身は、教訓も気にせず、ストーリーにそのまま喜んでるタイプなんですけども。
で、昔話は、ストーリー(起承転結)が分かりやすいかわりに、随所に矛盾がいっぱい。
教訓ほっぽといて、端々をつついてみたり、新解釈を考えてみたりする人が出てくるわけです。
昔話の登場人物(動物)からすれば、
「そーゆー曲がった根性がいけないって言ってるん
だー。うがーーっ!」
そんな人は、競争すれば睡眠薬を飲まされて、竜宮城に行けばカメの子たちの乳母役させられ、お土産もらえばおひつから出てきたダイオウイカに抱きしめられる。
鬼退治したくないからきびだんごはいらないって言ったものの、やっぱり寂しいから森に散歩に行ったら、やっぱりそこにも鬼がいて、慌てて逃げたら岩にぶつかってもらってもいないコブができる。
そんなことになっても知りませんよっ!!
少し視点を変えることで、大義名分の裏に隠された真実が見えてくることもあるようです。
「本のストーリーの通りに殺人事件が行われる」というのは、映画などでも時々あるけど、この本の昔話たちは、知らぬまに現実の生活に蔦のようにからんでいます。
登場人物の生活や事件と昔話を重ね合わせた解釈がおもしろいかな。
「花咲爺」で一番シアワセになったのは、実は誰か?
「サルかに」の連携プレーの真相は? 登場人物(動物)の分類分けは?
それにしても、いちいちエッチな表現が多いなぁ。
というわけで、理屈っぽくて、エッチな方にお勧めです・・・・?