逆説の日本史(7)中世王権編〜太平記と南北朝の謎〜
逆説の日本史7 中世王権編(小学館文庫): 太平記と南北朝の謎
- 作者: 井沢元彦
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2003/02/06
- メディア: 文庫
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だって、古代って、
「新しい発見によって、歴史が塗り替えられました!」
とか
「あのデータはニセモノでした!」
とか、しょっちゅう言ってて、まだまだ逆も何もありゃしないと思ったから。
大好きな時代なのだけど。
それにしても日本史を語れるほど詳しくないのに、理解できるかなぁ・・・
「逆説」とくるのだから、やっぱり元がわかってないと理解不可能・・・・?
大学受験の時、自分の受験校に日本史が入っていないのに気づかず、途中までがんばって勉強してしまったのがせめてもの救いになるだろうか?
あははは。
そんなスタート・・・・よろよろよろ。
歴史にロマンを感じる人はたくさんいるけれど、この分野はもっともっと想像力を使っていろんな検分をしてよいような気がしたよ!
何を教科書にのせるかどうかなんて、この際おいといて。
例えばね、昔の人のお顔なんて、絵が残っていれば幸いという感じだけど、教科書に載っていた有名なあの足利尊氏の絵(鎧を着て、馬に乗ってる)が本当は尊氏じゃないかもしれないらしいよ。
あの尊氏像は、トリミングされてる部分があるらしく、カットされてる部分にその謎の鍵があるとのこと。しかも、代理となった人を選んだ理由まで推測されている。
ロマンっていうより、ミステリーだね。
この逆説が正しいかどうかという以前に、自分がいかに、教科書をそのまま丸呑みにしていたか、想像せずにつまんない勉強していたかと感じます。
金閣寺の解釈もおもしろい。
どうして、あそこに金閣寺があるのか。
建築様式なんて、一階が神殿造り、二階が武家造り、三階が中国風禅宗の仏殿造り。
建物ごとに様式を変えることはあっても、階ごとに造りが違うのはなぜか。
足利義満が政治上の価値観を表したものだと解明しています。
一番下の神殿造りは、朝廷を表すのね。
で、その上が、武士階級。
一番上の中国風仏殿は、中国皇帝に日本国王と認めさせた義満が、自分が一番中国に近い者であると示したそうな。
「ワシが一番えらいのじゃ!」
読んでいくと、歴史ってほんとに、人間が・・・というか人間の美徳・悪徳が編み出したものなんだなあと感じます。
昔の人の名前を覚えるの苦手なんだけど、TVの歴史ドラマなら主役や歴史上の事件に焦点が定まっているのでなんとか追えます。
でも、本物の歴史は、うちの家系じゃ信じられないほどはるか遠い親類縁者が恨みだの仇だのと言って現れる。
ほんとにキミ、親類?
・・・ってなことにならないんだろうか。
その上、天下の話してるのに、嫉妬(しかも女性がらみ)だの恨みだの疑念だの・・・もう、みのもんたを呼びなさい・・・みたいな。
思わず同意してしまったのは、平和とは権力が君臨している状況だという見解。
それは、独裁者が自分のために民衆を苦しめるということではなくて、道具が宗教であったり、中国思想であったりしても、とにかく絶対的な1人の権力者が統率している状態。
南北朝みたいに権力2つで仲良くなんてありえないんだなぁ。
人間はとにかく争う。
今も昔も変わらない。
争わない人間同士なんて、ありえない。肉をガツガツ食べる動物が闘争心なしなんて、ありえない。
それにしても、情報網も交通手段もろくにない時代で、国を統治している・されているという実感がどこからくるのかがピンとこないんだよなあ。