日本の海外旅行 −若者と観光メディアの50年史−

ニッポンの海外旅行 若者と観光メディアの50年史 (ちくま新書)

ニッポンの海外旅行 若者と観光メディアの50年史 (ちくま新書)

二十代の出国者数は1996年がピークで、10年で半減。
1985年のプラザ合意後に1米ドル約240円が120円になり、海外での費用が半額になったような感覚になった。
これが引き金となり、ビジネスや留学といった目的がある渡航しかなかった時代から「目的のない」海外旅行が急速に増えた。20代の人たちは、ただ「行きたい」という気持ちだけで海を渡るようになったんだね。
それにあわせ、ガイドブックや情報提供媒体も生まれ、また劇的に変化した。
「なんでも見てやろう」「地球の歩き方」「深夜特急」「猿岩石」・・・
日本の若者が、どんな旅をしてきたかを振り返る。
社会の変化を投影してる感じ。
「破格のグアムツアーは、使用料の高い成田空港に航空機を泊めないために、グアムに回送的に飛ばした便についでに旅客を乗せたから実現した」「るるぶのような大きさも内容も雑誌的なガイドブックは日本ならでは。欧米では文字だらけの辞書のようなガイドブックが主流」・・・等、たしかにそうだ!な話題も。
過度な安売り競争を嫌って、旅行会社に協力しない宿は、広告からも外されてしまい、お客が来なくなる。
「干される」んだね。結局、旅行会社の販売方針に乗らざるを得なくなる。
そんな旅行業界の事情も。