マレーシア航空機はなぜ消えた

マレーシア航空機はなぜ消えた

マレーシア航空機はなぜ消えた

今年の3月8日、昼のニュースで驚いた。
クアラルンプールを飛び立ったマレーシア航空MH370便が忽然と消えたしまったと。
そして、今でも機体も乗員乗客も行方不明のまま。
事故なのか事件なのかさえ不明で、あらゆる憶測や出所不明確な情報が飛び交ったのはもちろんだけど、何より不可解なのが、マレーシア当局の対応。
原因究明を引き延ばし、誤解を招く情報を流し、早々に事故として片付けようとした。
飛行中の事故や事件に備えて機内にセットしてあるトランスポンダーやエーカーズがオフにされていた理由は?
日本航空の元ベテラン機長であり、政府要請の乗務もこなす航空界に精通した著者は、この件でも報道番組で解説を求められ、不合理でデタラメな憶測を正し、「公開されていない事実があるはず」と言及する。


過去の航空機事故との比較もされていて、日本と他国の事故調査の違いもおもしろい。
テロの可能性もある国際絡みの事故・事件にはFBI等も駆けつけるのだけど、テロでないと分かると、国家運輸安全委員会に後はお任せして、さっさと引き上げてしまうらしい。
日本の場合は、最初から最後まで「犯人探し」に躍起になる。再発防止よりも、そちらに情熱が注がれてしまう傾向があるのだとか。
飛行機1機の事故とはいえ、航空産業は国を支える事業でもあるので、その信頼を失墜するのは大損失につながる。だから、政府、事故調査委員会、航空会社、パイロットの労働組合までもが事故調査に積極的に関わらないという事態も起こりうるのだそうだ。


ハイジャックの際は、機が着陸した時に警察が包囲していることを悟られずに機内に突入しやすいように、
「ハイジャック時の停止位置」というのがマニュアルに記載されているのだとか。


個人的には、STAP細胞報道よりもこちらの方が衝撃的だったなあ。