OL誕生物語 タイピストたちの憂愁

OL誕生物語 タイピストたちの憂愁

OL誕生物語 タイピストたちの憂愁

第一次世界大戦が終わってから生まれた「職業婦人」。
登場人物の「阿部礼二」「平均子」(どちらも“アベレージ”=平均を象徴する)「三角定規」「本野虫雄」たちが当時の職場環境やサラリーマンの生態を披露する。
電送写真装置など、機器類も興味深いよ。
生活音が「騒音」として認識され始めるのもこの時代。


職業婦人たちが働く動機は、「家計補助」「趣味修養」「なんとなく」が大半で、タイピスト、電話交換手、デパートガールといった補助的な仕事が多かった。
給料は男性の半分ほどしかない。
結婚したら退職するのが当たり前の職場の花。
男性原理中心の社会、労働環境での苦労やがんばりが分かるよ。


その頃はまだ和服で通勤する女性が多く、「和服=日本の伝統」と思われがちだけど、考えてみるとね。
農業をはじめ、働く場面ではモンペみたいに「洋服」的な服を昔から着てるんだよね、日本でも。
和服は働かない人たちの服だったんだよね。

現在のOLの大先輩たちがよく分かる。