ゴッホのひまわり 全点謎解きの旅

ゴッホのひまわり 全点謎解きの旅 (集英社新書)

ゴッホのひまわり 全点謎解きの旅 (集英社新書)

ゴッホが描いたひまわりは全部で11点。
それぞれの謎、描かれた背景、ゴッホ亡き後の軌跡・・・実際に世界に所蔵されているひまわりに会いに行きながら、馳せた想いのまとめ。
絵画鑑賞って、推理小説みたいなスリルがあるね。
半世紀以上公開されていない「ひまわり」の行方、東京の「ひまわり」の贋作騒動の真相・・・
11点全ての写真がはいっているので、著者の言葉と一緒に絵を眺めながらドキドキできる。


太陽の象徴のような花であるひまわりなのに、ゴッホは枯れて種ができている状態を描いている不思議にも今更ながら、気付く。
また、なぜ、ひまわりを選んだのか。
情熱的でクレイジーな印象が強いゴッホの考え深く、真摯な姿勢が紹介されている手紙たちからも伝わってくる。


生きている間には、1枚の絵も売れなかったゴッホ
画家同士で自分の絵を交換して「宣伝」につなげるということはゴッホもやっていたらしい。
ゴーギャンとの共同生活が破たんした後に、ゴーギャンから「もらったひまわりの絵ではない、他のひまわりをくれ」との要望に対するゴッホの対応もおもしろい。
当時の画家の生活も垣間見ることができる。


私は、「ノイエ・ピナコテーク」の所蔵されている「ひまわり」が一番好きかも。
個人蔵の消えた「ひまわり」もいいな。