点描画に唸る

uiui2013-12-22

点描画って、科学だと思った。
印象派を超えて−点描の画家たちゴッホ、スーラからモンドリアンまで」展@新国立美術館
筆で塗りつぶすところを点々にしてるだけではない。
パレット上で色を混ぜるのでなく、絵を見た人の網膜で色が混ざるよう計算してるんだもの。
「色彩の同時対照の法則」というこの現象を利用することで、直接その色を塗るよりもずっと鮮やかな色彩と光彩を奏でるようになるんだね。
例えば、点描では裸婦の肌に赤や緑の点々がたくさんあってグロテスクだけど、絵から少し離れて見ると!!
張りや透明感のある美しい肌に見える。
これは、現物を見る価値ありだよ。



そして、ありきたりだけど、ゴッホすごい。
スーラなどは、描かれている者や画家の感情はフラットで、不思議な静寂として魅力がある。
一方、ゴッホはドカンと感情を乗せてくる。
月も太陽も彼の道具となる。
じゃがいもだって、訴えてくる。
彼は、2色の毛糸を絡み合わせて、点描における補色効果を研究してたらしい。



マクシミリアン・リュスの「鋳鉄工場」も静寂を破って、焼けた鉄の音がしてきそう!
モーリス・ドニの「雌鶏と少女」は、少女の雌鶏に対する興味が溢れてる。


これらの作品を出展してくれた「クレラー=ミュラー美術館」の存在も素敵なんだよ。
ミュージアムショップでは、「点描ビーズキット」や「点描キャンディ」が売られてた(笑)
どちらもどの絵画の点描で使われている色であるか説明付き。


新国立美術館は外観のインパクトもすごいけど、内装もおもしろい。
2階のラウンジは巨大なコーヒーカップの上に乗ってるみたいだなあ。