ひょうたん島2回目
2度目の八丈島。
今回は、溜まっていた疲れや緊張をほぐすための深呼吸をしたくて、そしてその場所は、八丈島以外になくて。
それでも夏場は満席で予約がとれず。
9月にはいって、やっと行けた。
海、山、温泉、食べ物と観光資源豊かな島でありながら、キラキラした観光地ではない。
島内は車でないと移動が不便だし、お土産屋も並んでない。携帯のアンテナが全く立たない所も多い。
でも、自然がそのままの姿でどーんと待っていてくれて、故郷に帰るような気持ちで行ける。
イタチがチョロチョロ走りまわる、そんな島。
(キラキラしたリゾート地の観光サービスを求めて行く人はがっかりするかも)
行きは、竹芝桟橋から夜行客船で行くことにした。 雑魚寝で眠れずに、船酔いか?と覚悟していたら、全然!
ゆったりとした個別シートで、かなりのリクライニングができるので熟睡。(和室もある)
揺れもバスと変わらない程度。
朝9時過ぎに底土港に到着。
客船が着いたからといって、タクシーやバスが待っているわけでもない。
タクシーを呼んで、八丈富士山腹にある「ふれあい牧場」へ。(TOP画像)
海と空と緑のコラボ。
観光地のタクシードライバーって、ガイドしてくれることがよくある。
今回のドライバーさんは植物に詳しくて、八丈島特有の品種や本州で高値で売られている種が道端に生えていることを語る。
車で素通りだと、それらに気付いてもらえないからね。
生け花の先生方は、花ばさみ持って訪れて、大喜びで帰られたそうな。
このドライバーさんは、「車を停めてもいいですか?」と言い、車を降りて、本格的に島の説明を始めた。
料金メータは止めてくれないので、ほどほどなところで「運転手さん、そろそろ!」と言いだす勇気が必要だ。
前回行かなかった六日ヶ原砂丘(地元では、黒砂と呼ばれる)へ。
車が通れない細い道を上り詰めること300m。
突然、現れる。
鳥取砂丘のような風紋はない。
溶岩が砂になっているので黒い砂丘が流れて行く先は、崖。
柵もない。
観光案内にも「とても危険」と書いてある。
火曜サスペンス的ストーリーが頭に浮かび、膝がガクガクしてきたので退散。
散歩してるかたつむり達を数えながら歩いていたら、落ち着いた。
アクセスは悪いけど、素敵なカフェがいくつかあるよ。
グリーンポストは高台にあって、テラスで八丈小島などを眺めながらお茶できる。
BGMはハワイアンだけど!
乙千代ヶ浜(おっちょがはま)というかわいらしい・・・
・・・名前の浜があるので来てみた。
今回の第一目的は、シュノーケリングでカメに出会うこと。
4頭のカメに会えた!
ムロアジ(クサヤにする魚ね)の大群に混じって泳いだのはレア体験。
フィンから出る泡をエサと間違えて寄ってくるんだって。
ムロアジの体の色がすごいんだよ。
「半透明な乳白色+ブルー」の不思議な色に光ってたよ。
スーパーの魚売り場からでは、絶対に想像できない色。
便数の少ないバスに乗るために、早めにバス停に行って待っていたら、バス停の場所が違っていたらしく、乗り損ねてしまった。
途方に暮れていたら、おまわりさんが来て、
パトカーに乗って!
行ってしまったバスを追いかけ、先のバス停で私を降ろしてくれた。
無事にバスに乗れました。
ほんとにこの島の人は、気持ちに余裕がある。
利益のためのサービスでなく、自然にやってるんだよね。
島料理を出してくれる居酒屋「梁山泊」には、また来ちゃった。
ここは、外せない。
美味しいものが多すぎる。
島寿司は漬けだけど、八丈島のはワサビでなく、カラシが載ってるのが普通。
アシタバや岩のりの天ぷら。
刺身は、島唐辛子(ハバネロ並みの辛さ)をチビッと添えて。
ネリは、八丈島独特のオクラ。
大きくて、毛が生えてないの。
クサヤは、マヨネーズと七味もかけて。
岩のり汁は、絶品。
パッションフルーツシャーベットは、予約しててよかった。さっぱりとシャープな酸味があるのに、最後に心地よい甘味が舌に残る。
お酒は、アシタバサワーと嶋情け(芋)ロック。八丈島だから、芋焼酎。
春から島に移住した方にも会えて、美味しさ倍増。
シュノーケリングで一緒だった女性も偶然、このお店で会えて、少しお付き合いしてくださった。
焼酎の製造所の中で、見学させてくれるのは「八丈興発」(要予約)。
今度はバスを降りる所を間違えて、徒歩で行ったら汗だく。
工場解説の際(マンツーマン)もダクダク。
汗の理由を話したら、事務の女性が「1本付けて!」と。
焼酎1本お土産にいただいた。
なんだか1つの苦労が2倍以上の幸になって返ってくる島だなあ。
試飲もさせてくださって、製法による味の違いが歴然。
研究用の60度の焼酎も試させてくれたんだけど、ウォッカと同じで、喉に届く前に舌の上で蒸発しちゃう。濃厚な香りとエキスが口に残る感じ。
ネリ畑だ!
生えてるのを見るのは、初めて。(オクラはあるけど)
花束などに使うシュロは9割以上が八丈島産。
改装移転した「一休庵」のおやじさんは健在だった。
この明日葉うどんも今回の目的の1つ。
旅先では、必ず地元のスーパーを覗く。お土産屋にはない地元ならではのものがあるから。
今回、「八丈ストア」で手に入れたもの。
「くさやオリーブオイル漬け」(くさやとオリーブの実も入ってる)。
トビウオのクサヤをちぎり、和製アンチョビ風にしたもの。臭いもそんなに気にならない。
「島焼酎オリーブオイルドレッシング 青唐辛子入り」。
焼酎の甘さが青唐辛子の強烈な辛さをまろやかにしてる。
この島は、昔、政治犯の流刑地だった。
頭の良い流刑者たちは、飢饉で米による酒造を禁じられていた島民に、サツマイモで焼酎をつくる方法を教えて、大変感謝されたそうな。
「島酒の碑」
温泉もよかったなあ。
また八丈島に行くんだろなあ、私。