[映画]それでもボクはやってない
それでもボクはやってない スタンダード・エディション [DVD]
- 出版社/メーカー: 東宝
- 発売日: 2007/08/10
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やっと降りたと思ったら、「この人、痴漢です!」と連行された。
いつでも誰にでも起こりうること。
ちゃんと説明すれば、誤解はすぐにとけるはず。
自分が誰よりも自分が無実であることを知っているわけだから、警察に行けば、裁判になれば、分かってもらえる。
(日本の)裁判では、実は、それがとても難しいことであることを伝えてくる映画。
「正義」というクモの巣にかかってしまったような、もがけばもがくほど身動きとれなく怖さ。
ホラー映画より怖かった。
冤罪がその人の人生を昨日までと全く違うレールに乗せてしまう。
「認めて示談にすれば、すぐに出られる。裁判は大変だ。」と言われたら、無罪を訴えるよりも早く警察から解放されることを選ぶ人も多いかもしれない。
そうすれば、2〜3日後にはそんなことがあったなんて誰にも知られずに「世間」に戻れる。
映画では、痴漢行為の裁判の難しさも描いているけど、裁判所・警察といった国家組織が裁判をどう捉えているかが「冤罪」に大きく作用していることをポイントにしてる。
裁判で「無罪」となることは、国家にたてつくことになるので、「有罪」にもっていかれる可能性が高いとのこと。
「無罪」を言い渡す裁判官は、国家から煙たがられたりもする。
事件の調書も、被告が述べた通りに書かれず、取調官が書いた有罪裁判に都合のよい「作文」となってしまう。
弁護士の能力は、案件の処理数で判断されるので、被告の話を真摯に聞かない弁護士も多い。というか案件が多すぎて、ちゃんと対応する余裕がない。
あくまでも映画だけど、実際のところはどうなんだろう?
全然、知らない。
裁判の現実を知らないで、無実のために戦うのは難しいよね。
「裁判員制度」はそういう意味でも、良いのかもしれない。
映画の中で何度か出てくる「有罪者を10人見逃すことがあっても、無罪の者を有罪にしてはいけない。」という言葉が印象的。