中城。そして6LDKで10万円〜Spring ハブ(has)噛む(come).(2of3)
玉泉洞に到着。
ここは、もう、洞窟好きとしては、たまりません。
3日間くらい住んでみたい。私の前世はコウモリだったかもしれない。
公開されているのは890mだけど、全長は5,000mにも達する。
しかも、奇観が多い。
山の上なのに、サメやクジラの化石が出てくる。珊瑚を主成分とした琉球石灰岩でできていることからも、大昔は海だったことが分かるね。
1万5千年前に絶滅した鹿の化石も。
石灰分を多く含む水が大量に流れてくるので、他の鍾乳洞にくらべ鍾乳石の成長が早く、つらら石は3年に1mmというスピードで成長。
早いっ!!!
・・・のかな?
気温が年間を通して21℃、湿度は90%と安定しているので、泡盛古酒の蔵も作ってあり、「琉球乃邦」という製品もある。
水の中にも試しに漬けてみているらしい。すでにビンの周りには石灰がついている。
こんなにすごい洞窟ができるまでに、すさまじい年月が経っている。
こちらの柱は上下がつながるまでに、まずは1万年ほどお待ちくださいとの但し書き。
洞窟を出ると、植物園だった。
幹にボコボコなっている黒い果物「ジャボチカバ」の実はゼリーのような感じで、生食するんだって。
柿羊羹みたいなものかなあ?
さとうきびジュースで、一息。
さて、併設の沖縄の文化を凝縮したテーマパーク「おきなわワールド」。
沖縄を一挙に体験できるようになっていて、古民家が移設されていたり、ガラス細工や焼き物作りを体験できる。
地ビール「ニヘデビール」の工房やハブ酒売り場もあるよ。
茶屋では、沖縄名物「ぶくぶく茶」をいただく。
茶せんで泡をたてたお茶なんだよ。
そして、私は走る。ハブ博物館で、ハブのショーがあるから。
一応、女性なので、「きゃー、ヘビ嫌い!」くらい言いたいところなのだけど、生物の不思議への興味と畏敬の念には抗えないのである。
ハブには、いつも使ってる牙が折れた時に備えて、すでに少しだけ生えている副歯があるのだ。
牙はとれてもとれてもとれても永遠に生え続けるらしい。
毒も抜いても抜いても抜いても、いくらでも貯蔵できるのだそうだ。
私もその位たくましくありたいものだ。
ハブは、卵生でありながら、殻は薄く、産み落とされてから1〜2日で孵化する。
限りなく胎生に近い卵生なんだね。(ちなみにマムシは胎生)
えさを丸飲みしても、強い消化酵素が多いので大丈夫。
本当に生物の身体って、うまくできてる。
驚いたのは、ハブに噛まれると歯型が残るだけだと思っていたら、この酵素のせいで、噛まれた部分の筋肉が溶けて腐るということ。
写真があったけど、ひどいもんです。
観客の一人が質問した。
「えさを丸飲みしてたら、自分が窒息したりしないんですか?」
呼吸口が外側に近いところにあるから、大丈夫なんだって。
以前は、マングースとコブラの対決ショーなどもやっていたらしいけど、動物愛護団体から抗議を受けて中止。
今では、マングースはウミヘビと水泳競争をするのみである。
ちなみにマングースは溺れないよう必死なので、速い。
コブラは、背中側にいる敵はまったく見えていないことを証明するために、頭の後ろからポコポコ叩かれるのみである。
上記の行為は、動物愛護団体に文句を言われないのか〜?
そして、ヘビが食事をするシーンの見学もあった。
グロテスクな感じであるけど、やっぱり好奇心に負けて見学。
体全部を使って食事。
体が長いから、消化するのに時間がかかるわけで、これで1週間は食べないでいられるらしい。
ここでは、シロヘビが人気キャラクターとして揃っていて、一緒に写真撮影もできるそうだ。
「ヘビーアイドル」ときた。
あ、そうそう、ハブ酒には、ハーブとハブが入っている。
ここで、意味もなく、ドクターフィッシュを体験してしまった。
角質を食べてくれるトルコ出身の魚。
くすぐったくて悶絶。
間違っても、この魚たちを釣って食べたくないと思った。
今日の夕食は、沖縄民謡居酒屋「きらら」。
わー。
やっぱり震災の影響でお客が少ない!!
島豆腐の冷奴は、醤油などかけずにそのままでおいしい。
もずくの天ぷらはフワフワ。
島イカの刺身。
その後、少しお客が増えたけど、緊張に耐えられず、早々に退散。
夜が明けて、まず目指すのは、中城(なかぐすく)城跡だ。
バス停から上り坂30分。
歩道に沿った地面には、巻貝が貝塚のように埋もれている。しかも、1つ1つが見過ごすことができないほどに大きいぞ。
途中、地図の読み方の勉強で出てくる「三角点」に出会った。意外と本物を見る機会は少ない。
歩く旅ならではの発見だもんね。ふふーん。
ここで、ハッとする。
街路樹が松!!
沖縄の他の場所でもそうだった。
そして、その道路の脇にさとうきびが植わっているのだ。
さて、中城城跡に到着。
1400年代に代々の城主によってだんだん規模を拡げられていったらしい。
石の積み方にも3種類あり、もちろん漆喰もセメントも使っていない。
かなり城壁が残っていて、衣の裾のような曲線が美しく、しっとりした威厳がある。素敵だなあ。
ペリーも訪れ、称賛したのだそうだ。
ここにも御嶽(うたき)と呼ばれる拝所がいくつかあり、神と共に過ごしていたことが分かる。
拝所は過去のものではなくて、今でも一生懸命拝んでいる人が佇んでいるのだ。
特にこの中城には、神の島:久高に向かって祈るための専用拝所も設けられている。
ところで、この城跡の奥に、城とは関係のない廃墟ホテルがあるのは「知る人ぞ知る」なのかしら。
正面にフロントデスクも残っているし、横にはお客さん用?の音響設備も。三菱エレクトリック製だって。
なにやら、建設していた企業と公的機関がもめたようで、数十年前に建てかけたホテルがそのまま放置されているとのこと。
客室やトイレも残っているけど、赤いカーペットはボロボロ。
特に血塗られた事件などがあったわけではないけど、地元では肝試しポイントになっているらしい。
囲いもないので立ち入れてしまうけど、ガラスは散乱してるし、天井も落ちてるところがあるし、とっても危ないからね。
ただ、この風情なので、山の下から見ると、中城の一部のように見えちゃうんだよなあ。
那覇に戻って、お昼は沖縄そば。
創業38年の街のそば屋に滑り込む。
(つづく)