ヴァージニア・リー・バートン「ちいさいおうち」の作者の素顔

ヴァージニア・リー・バートン―『ちいさいおうち』の作者の素顔

ヴァージニア・リー・バートン―『ちいさいおうち』の作者の素顔

大好きな絵本の1つです。




絵本「ちいさいおうち」のことをそう思っている人も多いのではないでしょうか。
ちいさいけれど、笑っているような外観と、中の温かさが伝わってくる家。
人間の幸せを映したような家。
最初は周囲ものどかでゆったりとした景色ですが、だんだん工業化が進み、おうちの周りは高層ビルや道路でひしめき合い始めます。
さて、おうちはどうなるのでしょう?
そんなストーリーです。
かわいらしいお話ですが、人間への強いメッセージがあります。
作者自身の子どもたちが発見を楽しめるよう、挿絵の中にはちょっとした「あれれ?」をちりばめたりと遊び心も。




この本は、作者であるヴァージニア・リー・バートンがどんなアーティストであったかを紹介しています。
彼女の両親はともに、とても個性的で、因習にとらわれない性格の上、美的感覚に優れた人だったそうで、リー・バートンはその影響を強く受けているようです。
そのお母さんは、お父さんと子どもたちを捨てて、ずっと若い男性と一緒に暮らすため家を出て行ってしまうのですが、リー・バートンはあまり恨みがましいことを言ってもいないんですね。
彼女自身の子どもたちに言わせると、「母(リー・バートン)は楽しく生きることにかけて天才だ」と。




他の作家の絵本に挿絵を描いたりもしていたけれど、決められたスペースに無理やり自分のイメージを合わせて、埋め込むというのが苦痛で、結局、自分が書いた本の挿絵しか書かなくなりました。
絵本の他にも、「フォリーコーブ・デザイナーズ」というリー・バートンと仲間の職人たちが作った画期的なデザイングループとしての活躍もあります。
このグループの作品は世界から称賛を浴びただけあって、ほんとに素敵。
一見、幾何学模様なのだけど、とても楽しくて温かくて、遊びがつまったデザインたち。




当時の写真や作品がたくさん掲載されています。
絵やデザインは、本物を見たくなります。