特別展ダ・ヴィンチ〜モナ・リザ25の秘密〜

uiui2010-12-28

モナ・リザには眉毛もまつ毛もあった!


かなりの研究がされているモナ・リザだけど、現代ならではの試みと解明の結果がここに。
現在のモナ・リザと描かれた当時のモナ・リザが並んでいて、違いに溜息も。



日比谷公園に設けられた会場には、入場者の熱い吐息がこもっていたけど、かといってギュウギュウな混み方ではない。
ダ・ヴィンチがすごいことなんて、よーく分かってるけれど、この展覧会ではダ・ヴィンチが好奇心と探究心で燃えていた当時の想いを共有しようとするかのような能動的な内容。
決して美術館ではないよ。
展示はアクティブで立体的だし、大きいし、スリルのある空間となっている。
ほぼ当時と同じ大きさ(だったと思う)のエア・スクリューは、人が乗れる部分とらせん状になった翼がついていて、竹トンボを思い出す構造。これは、現代のヘリコプターの祖先といった感じ。
立ち乗り飛行機やパラシュートの発明など、実物大のものがかなりたくさん置かれていて、実際に触ることができるものもある。
こんなに大きいものがあると、「なんでもできる天才ダ・ヴィンチ」だけでなく、失敗や苦労もよく伝わってくる。


科学・工学の面のゾーンを過ぎると、アーティストの面のゾーン。
いよいよモナ・リザの謎解きだ。
いくつもの謎を今でも抱える彼女だけど、今回は、


2億4000万画素のカメラで直接撮影して分析。
赤外線で分析。

この解析のために用意されたすさまじい画素数のカメラ。
赤外線を通した画像では、目に見えない、塗りつぶされたものや下書きが現れる。
また、赤外線画像の色を反転させるとまた新たな発見が。
以前からの謎の解明と新しい発見が25個もあったんだね。



一時的に所持していたナポレオンがある場所に置いていたことが、モナ・リザの2つの謎の原因となっていたことが判明。
そんなとこに置くのか、ナポレオン!!




現在のモナ・リザは、表面のニスが変色していて、描かれた当時の色調と違っているのだけれど、ダ・ヴィンチが透明に近い絵の具を何層にも重ね塗りするという画法を取り入れているため、このニスを取り除こうとすると絵具までも取れてしまうのでできない。
ところが、これらのカメラ撮影で、当時のモナ・リザの再現に成功したのだ。
時が経ち、絵の具が消えてしまった部分もあるんだね。
実物大の「最後の晩餐」にも会えるよ。
大きい。



また、ダ・ヴィンチは戦争を批判していたけど、スポンサーをつけるためには軍事に貢献することが近道だったようで、カメの甲羅みたいな戦車や銃身がたくさんついている砲台も造っている。
古代ローマ的戦闘馬車は、マサカリみたいな武器がついていて、走るだけで敵を倒せるはずだったのだけど、自分の馬や味方までなぎ倒しちゃうなど、失敗や実用性がないことも多かったみたい。
ミケランジェロとの絵画対決も、彼の人間らしさが伝わってくるエピソードだ。


黄金比率」を示す有名な男性の図。
前面の壁にあるこの図に自分の影を映し、自分の身体が黄金比率にどのくらいか近いかという数値が出る。
並んでいた女の子は、黄金比率だった。
私は、並ぼうと思ったけど逃げました・・・



音声ガイド(500円)もある。
「ある貴婦人」役の声は、黒柳徹子さんだ。
入場してすぐに、黒柳さんに出会える(本物ではないけど)。
いきなり吹きそうになる風情なのよ、これが。

2月20日まで。