石川酒造で多満自慢
JR or西武線の拝島駅から徒歩15分ほどのところにある。
炎天下の中、なぁーんにもない道をほとんどまっすぐ進む。
アスファルトに冷酒の幻、蜃気楼。
オアシス 酒造に到着。
玉川上水からひいた水。
地ビールも作っているそうだ。
これは、昔使っていたビール作り用の釜。
大人5人くらい入れる風呂釜みたいに大きいよ。
敷地内にある「福生のビール小屋」。
洋食(コースもあり)で、ビールを楽しむレストラン。
入りそうになるのをこらえる。
石川酒造は、昔から、地域をまとめる実力者でもあり、酒蔵ある敷地の中は立派だ。
観光客を意識した施設になっていて、史料館もある。
政府からお役目を任されたり、石灰や縞を売ったり、貸本屋をやったり、なかなかのビジネス上手でもあったらしい。
酒造りをする蔵人は、地方の農家の出稼ぎ。
この酒造では、兵庫県からの人がとても多いみたいだよ。
大事な水を汲みとる井戸をきれいにするのが、酒造りの最初の仕事。
この仕事を任せてもらえるのは、いずれ役人に任命される見込みのあるエリートくんだけ。
道具を洗うのも重要。汚れが残っていると、酒が腐ってしまったりする。
蔵は、女人禁制で、食事や身の回りの世話も男たちでやったそうだ。
酒作りの作業の時は、「流し唄」「桶洗い唄」「米洗い唄」「数番唄」・・・それぞれの唄があり、そのリズムは作業に適したものになっている。
回数を数えるにもばっちりなんだって。
と史料館をまわりながら、もうすぐだ。もうすぐお酒だ。
もうちょっとのガマンだ。
和食・そば処「雑蔵」に入る。
明治31年に建てられた土蔵(国登録有形文化財)を店にしている。
仕込み水で打ったそばや旬の肴がいっぱい。
珍しい魚や地元の野菜を使って、ちょっと粋なレシピで、お酒を引き立てる。
肴の手を抜かないところから、自分たちのお酒に対する誇りも感じちゃうよね。
地酒や地ビールを堪能する人たちでいっぱい。
隣のテーブルのご夫婦。
奥さまが、つい、いつもの調子(だと思う)で言ってしまった。
「家に帰ったら、あれを片づけないとね」
そしたら、旦那さまが激怒。
「こんなうまい酒飲んだ後に、そんなことできるかっ!!」
山廃純米大吟醸。
これ、好きだなあ。豊かって、こういうの? 舌に乗せると、いろんな味&香りが踊る感じ。
自家製厚揚げは、揚げたてなので周囲がカリカリ。
蕎麦味噌田楽のみそは、甘すぎず辛すぎずでこうじが残っているので、みそだけでも肴になりそう。
こんにゃくも水も地元のもの。
酒粕チーズケーキ。
キリリした素敵なケーキ。
隣のおじさまに話しかけられたけど、ケーキに夢中です。
売店「酒世羅」(酒seller)で散々迷った挙句、地ビールを購入。
明治20年に行っていたビール作りを111年ぶりに復活させたんだって。
種類も豊富。
「多摩の恵」って、なきうささんに贈りたくなるような名前だな。
購入した「ボトルコンディションビール」。
ペールエールをベースとした、発酵の終わったものに糖度の高い麦汁と活きのよい酵母を加えて瓶詰め。
ビンの中で二次発酵をさせて、冷暗所であれば常温で約5年間熟成が続く。
瓶詰め後、約6ヵ月はホップのきいたさわやかさが、その後はこう見に複雑さが増し、熟した果実のような味わいが楽しめる。
うわー。いつ飲めばいいの!!!
それに、酒「たまの慶 純米大吟醸」に未練が残る。
買ってもよかったけど、家ではお酒飲まないしなー。
敷地内の大きなケヤキ。
きっとお酒の精霊が棲んでる。