坊さんバンド・座禅体験・映画「氷雪の門」

uiui2010-07-20

最近ちょっと興味を持っていた座禅。
都内のお寺では、初心者にも座禅をさせてくれるところがいくつかあるんだね。
ちょうど日程が合うところがあったので、参加してみた。
男女が20名ほど集まっていた。30〜40代も多いように見える。
世田谷区にある龍雲寺(臨済宗妙心寺派)が運営している、その名も
「東京禅センター」。
雰囲気を楽しみたい向きには、やや興ざめするようなネーミングかもしれないけれど、真面目にやってるとこです。
ついでに言うと、住宅地なので、お経が聞こえてくると困るというお家もあることから、窓閉めてエアコン効かせたお部屋です。
最初の30分で、足の組み方や呼吸法などの基礎から説明してもらう。
その後、15分×2回の座禅。
「お坊さんがビシッと叩く」のは希望者だけで、お坊さんが近づいてきた時に手を合わせると叩いてもらえる。
姿勢は大事で、だんだん背中が丸まったりと、一見楽な形に崩れてきたりもするけど、実は背筋を伸ばして腰を芯に合わせて落ちつけている方が肩こりなどの疲れはないそうだ。
お坊様いわく、こういった寺でやらなくても、仕事で行き詰った時や心が疲れた時に座禅を組むと、心身ともにリセットされてクリアになり、良い影響が出るとのこと。
うん、これは分かるなあ。
でも、心を真空にしてみたいと思って挑戦したのにもかかわらず、座っているといろんなことを考えてしまう。
考えるのをやめると、睡魔が。
あぁ、煩悩の塊な私。




終わると、茶礼(されい)として、みんなでお菓子とお茶をいただく。
この日は、お坊さんが前日の京都でのお勤めの際に買ってきた生八橋。
わーい。←煩悩現る
もうちょっと人数が増えたら、八橋の数が足りなかったと胸をなでおろすお坊さん。
和やかな雰囲気。
参加費は500円。



この禅センターでは、表参道などのお店のスペースを借りて、「禅カフェ」なるイベントもやってるらしい。
椅子に座ったまま座禅をするんだって。
いつもお坊さんが指導してくれるわけではなく、禅センター職員が担当することもあるみたい。

禅センターのサイトはこちら








座禅の後は、渋谷のシアターN
樺太1945年夏 氷雪の門」
を観にいった。
封切り2日目だったためか、教室くらいの大きさしかない映画館が老若男女でびっしり。
樺太(現サハリン)で、第二次世界大戦終結したというのに、ソ連軍が日本領土に進攻してきたという時代背景。
そんな経緯の映画なので、制作後何十年もソ連の力で封印されていたものが、とうとう公開されることになったという作品なのだ。


「電信電話局」に勤めていた女性交換員が9名だけ疎開せずに残ってしまう。
彼女たちの物語。
北海道出身の友人によると、このエピソードは道民ならみな知っているほどに歴史に刻まれているそうなのだけど、兵器による兵士の死以外の悲劇がこんなところにもあったのかと痛ましい想いがする。
戦争中とはいえ比較的平和だった樺太が、終戦を迎えて白旗を揚げていてもソ連に侵攻され、住民は訳も分からず逃げまどい、命を落としていく。
通信乙女たちは、一生懸命仕事をする普通の女性だ。
家族を想い、愛する人と一緒にいたいと願い、甘いおしるこに笑顔をこぼす、「生きていたい」人たちだ。
そんな想いがほんの数日でどう捻じ曲げられたか。
敵軍に捕えられた婦女子は、単なる「餌食」になるという定説もあった。(そう思っていたのは日本人だけという説もあるけど)
悲話なのだけど、軽々しくもらい泣きをするのが憚られるような気持ちになる。
古い映画なので、製作が昔のウルトラマンっぽい風情もあり、そういう意味でも興味深い。





座禅と戦争映画で、全体的に「ちーん」という感じの1日になった。
一人で家でご飯を食べていても、テーブルにナス・キューリがいたりして、なんだかお盆的風情。






でも、中日新聞のこんな記事で元気になった。
●メンバー全員がお坊さんのバンド

仏教の教え、法衣で熱唱 “坊さんバンド”19日にコンサート
http://www.chunichi.co.jp/article/aichi/20100718/CK2010071802000023.html

普段、お経を読んでるので、とてもよく声が通るらしい。
今昔物語が主題の「念仏ブギ」、親鸞への思いをつづる「いのちの輝き」などのオリジナル曲。CDも発売。
メンバー全員がお坊さんなので、通夜などが入り、全員が集まれる練習は稀なのだそうだ。
結成のきっかけが、3月に真宗大谷派名古屋別院(東別院)であった親鸞聖人750回御遠忌に向けた行事で、ライブをすることになり、地域の寺からメンバーを集めたというのもすごい。
メンバーの年齢差やジャンルの違いも練習を重ねて乗り越えたそうだ。
すばらしいね。
ベンツ乗りまわしてるだけじゃだめだね。>お坊さん

ライブでは法話もしているそうで、そういう場では、聞く人たちの聞き方が違うとのこと。
音楽が人を引き付ける力を実感したという。