イランにコタツ・・・中近東文化センター付属博物館

uiui2010-02-20


TV番組「懸賞で当たる方法」を真剣にメモっている娘3号の母です。
みなさん、こんにちは。




この博物館がICUやルーテル神学大学のすぐそばにあるのは知っていたんだけどね。
でも、15分くらいで見終わってしまうようなちんまりとした、しかもアヤシイ博物館なのかなと思っていた。壺とか皿のカケラの発掘品ばかり・・・とかね。





が!





古代〜現代の中近東の暮らしや変遷がギュッと詰ったようなものだった。
だいたいね、中近東の歴史年表って、すさまじいよ?
PCのデフラグ画面みたい。
ほら。

敬遠したくなるような複雑さ。




まず入り口に現代の中近東の様子がモニターに映されてる。
へええ、イランにはタツがあるのかー。
種類豊富な香辛料のいくつかの香りを嗅いでみることができる。
龍涎香(りゅうせんこう)は、マッコウクジラの腸にできる結石からできてるらしいぞ。
どうやって見つけたんだー。




氷河期が終わると、小麦を食べるようになる。
小麦は皮を取り除きにくいため、皮取り行程で実もつぶれてしまうから、いっそ粉にして食べてしまおうということになったらしい。(米は、皮が取りやすいから粒のまま食べる)
古代の小麦を粉に挽く道具があり、実際に小麦を挽いてみることも体験できる。
円筒印章(粘土の上で転がして、絵や字を彫りつける)もやってみたよ。





「最古の処方箋」
 (紀元前2200年)
「シュメールの勘定書」 (紀元前2600年)
「非行息子を叱りつけていることを記述した書板」 (4000年前)
などというものまで残っている。
トップ画像が何か分かりますか?
ハムラビ法典(レプリカ)
ずっと前に大英博物館で実際に見たはずなんだけど、こんなに大きかったっけ?
私の身長(156cm)よりもずっと高い。
ロゼッタストーンの複製もあるよ。
イランのガレクティ遺跡のAV号墓の人骨は不思議な体型で葬られていて、複製とはいえ、そのものを見せられると、その謎に引き込まれる。
実際の墓は、3.9m×3.6mの方形で、深さは2.4mもあるんだって。






朱鷺(とき)のミイラ
は本物。
こんなところに住んでいたんだ〜。
朱鷺は、古代エジプトでは、文字や知恵を司るトト神を表すそうだ。





比較がとても分かりやすくて、同じ中近東とはいえ、国によって違いがこんなにあるなんて!!というのが、ガラス製品。
ごちゃごちゃした理屈はさておいて、まず目が驚く。
そんな展示。
ギリシア人が書いた「博物誌」には、ガラスの誕生物語(商人が偶然見つけた)が書かれているそうだけど、そこから国ごとに見事に異なった特徴を作り上げたんだね。
あの複雑な幾何学模様は、ああやって描いていたのかー。





当時の沈没船の模型も。
沈没船には、たくさんのアンフォラ(壺)が積まれていたようだ。
紀元前1300〜700年くらいのもの。
ぶどう酒やオリーブ油が入っていた壺なんだね。




今やってる特別展は、 「発掘と解読の物語」。

ナポレオンのエジプト遠征に同行した学者たちによる膨大な調査記録「エジプト誌」は有名。
ここでは、ニムルド遺跡・ボアズキョイ遺跡・トロイ遺跡などで発掘された物でなく、発掘をした人に注目する。
それから、シャンポリオンによるエジプト聖刻文字の解読、ローリンソンの楔形文字の解読など古代文字の解読者。




死海西岸の洞窟から見つかったたくさんの壺。
羊飼いが偶然発見したのだけど、これがすごい。
ローマとユダヤ人が大戦争をした時に、貴重な図書を洞窟に隠したのだ。
戦争が終わって、取りにこれるよう祈りながら。
もし、自分たちが来れなくても、誰かが発見して、またちゃんと活用してもらえるようにと。
結局、隠した者たちは取りにくることができなかった。
でも、ちゃんと他の人が見つけて、役立たせたよ。





戦争から2000年も経ってからだけど。


現代では、死活文書と呼ばれてる。
聖書や歴史解読に大変な貢献をした発見だったのだそうだ。


三鷹市武蔵野市在住者は、入館料100円!(通常は、800円)
そりゃ上野で開催される「エジプト展」などよりはボリュームはないかもしれないけれど、なかなかのものですよー。