万里の長城で筋肉痛(北京旅行/前編)

uiui2009-07-29

有名な観光地ばかりをまわるガチガチのパックツアーは久しぶり。
ニューワールドホテル宿泊。食事も全部しっかりしたものがついていて、しかも世界遺産を5つもまわる弾丸行程の3泊4日。
29,800円。
1度キャンセルしたけれど、なんとか行ける運びとなりました。
娘3号との2人旅。






莫大なお金を払うことができる人は、たくさんいる。
だけど、呆気にとられるほどの時間と技術と労力と緻密さ。
これらを同時に創出できる人は、現代にはあまりいないのではないかしら。
また、それらの基盤として、思想と哲学と学問があることも、今の時代には期待しにくいことだ。
これらの要素を集結した「美」が、怖いほどの欲と犠牲の上で咲き誇っていた標(しるし)たち。
でも、全てが過去の話ではないようだ。
中国には、今でも、天然資源ともいえる、見えないエネルギーが蓄えられている。



それが、今回の旅で感じた北京。



言葉にすると、脳裏に焼きついたものが軽薄なものになってしまいそうなのだけど、少しだけ書いてみる。
まだまだ飽和しない国のつまみ食い日記。





1日目:夜、成田発。China Airlineにて北京へ。

2日目
:臣頁(い)和園(世界遺産)、明の十三陵(世界遺産)、八達嶺の万里の長城世界遺産)、王府井(繁華街)への探検

3日目:天壇公園(世界遺産)、北京動物園でパンダ、天安門広場故宮世界遺産)、景山公園、鳥の巣スタジアム、雑技団鑑賞(OP)

4日目:朝、北京発。China Airlineにて成田へ。


以前、訪れたバンコクがそうであったように、中国の観光地も日本人だらけなのだろうと思っていた。
やや小型の飛行機に搭乗した途端、さっきまで静かだった乗客たちがしゃべりだし、周りのほとんどが中国人であることに気付く。
機内食のデザートが「もみじ饅頭」だった。
「まるで、広島に帰省するみたいだね。あはは。」という視線を周りに投げてみたけど、中国語の渦があるだけだった。




そういえば、北京の街中では、思ったほど日本語は通じなかった。
英語の方が役立つみたい。
中国人ガイドさんの中国語っぽい日本語・・・
人民元」が「人面犬」に聞えたって、気にしない気にしない。





<臣頁(い)和園>
西太后が国費をつぎこんで、贅を尽くして築かせた宮廷庭園。
庭園と言っても、1つの町くらいの広さ。しかも、人工の湖付き。


何千もの楼閣は、風水の方位学に基づいて配置されている。


西太后の一番のお気に入りの楼閣。


当時の皇帝と皇后は、西太后の甥と姪。
もちろん西太后が権力を保持するための政略結婚だ。
夫婦仲はよくなく、別室で暮らしていたそうで、皇后の寝室の豪華な装飾品が悲しげだ。
特に屏風には、メノウ・翡翠象牙がちりばめられていて、すごい。

廊下は、728mもある。


西太后は、京劇が大好き。
京劇を1回観るには、平民の1年分の所得と同等の金額がかかるのに、彼女は1日に3回も観ていたという。


遠くに見えるのは、盧溝橋を真似た橋。穴の数にも意味がある。(なんだっけなあ?)


時々見かける光景。
道端に大きな筆の水で書をしたためている。
非常に美しい文字。


端から端まで、いちいち豪華。
おそろしく手がかかっている。
    

    






これは、路上で売っていた果物。



シルク製品の工場兼店舗に寄る。
春は、桑の葉がたくさんあるから、蚕たちもたくさん食べることができ、質の良い繭ができるとのこと。
一方、秋は少し質が落ちるそうだ。
1つの繭からは、約2,000mもの糸がとれるそうだ。
糸をよって、クモの巣のように張っている
     ↓
  


実際に、握りこぶしほどの糸の塊を拡げさせてもらったら、布団1枚分の広さの薄い膜になった。
これを何層にも重ねて、布団にするから、埃が出ず、アレルギー体質の人にも良いとのこと。
薄いけど暖かい布団は、夏用で5,000円くらいだったかな。
買ってないけど。
それから、蚕のフンは、漢方薬になるんだって。
それにしても、人民元の表示って「¥」とそっくりだから、布団1枚320円!!って、最初はいちいち誤解してしまうんだよ。




今回は、歴史観光がメインだけど、マンションやビル群のすごさにびっくり。
スタイリッシュなデザインで目を引く30〜50階建てのビルが乱立している。
しかも、土地に余裕があるから、同じものを2棟以上のセットで建てていて圧巻なのだ。

これ、全室が埋まってるのかなあ。


これは、新しくできたTV局のビル。
この角度だと分かりにくいけど、三次元立体のM字型。




<明の十三陵>

明時代の13名の皇帝と22名の后たちが地下室に眠る。
こんなに多くの皇帝たちが一同に集まって眠っているところは世界にもないそうだ。


宝物が埋蔵されているため、ニセの入り口がたくさん作ってあって、泥棒対策をしている。

現在は、発掘されてしまったので(ある意味、泥棒?)、宝物のほとんどの実物は博物館へ。

 
  ↑
これで、皇帝1人とお后様2名分のお墓なのだ。
こういうものがいくつも散在しているのが十三陵。



赤い箱には、葬られている人が生前大事にしていたものが収められている。



石の扉は、高さ3m、厚さ20cmほどあるが、1枚の岩でできている。
天井が緑色なのは、ヒスイ。


お賽銭って、世界共通の認識なのかー。




地下室の上の地上にある位牌。
大きすぎだよ。
これも1つの石で出来ている。



昼食は、飲茶。
あれ?中国にも焼きぎょうざって、あるのだっけ?
「焼き」は日本のものかと思ってた。





<八達嶺の万里の長城
原宿並に混んでいる。


幅は、馬4頭がちゃんと並べるようにとってあるらしい。
不規則に階段やスロープになっていて、場所によってはかなりの角度。
手すりがないと怖い。
高所恐怖症気味の娘3号は、途中から這って登った。
私は、筋肉痛になった。


昔は、ここからオオカミのフンを燃やしてのろしをあげていたらしい。


欧米人は少ないけれど、いろんなアジア人が集まってきている。
中国では、連休なんて、年に2・3回しかないけれど、国内旅行が人気だそうだ。




雑技団鑑賞に行こうと思ったら、道路がすごい渋滞である。
ガイドさんは言う。



「中国で、渋滞は珍しくありません」



しばらく行くと、軽トラックから荷崩れして落ちて山になったが、道路をネクター(注:ジュース名)と化して、塞いでいる光景が見えた。
あちこちで、おやつ代わりに地元民や観光客が丸かじりしていたあの桃だ!
みんなで一生懸命に桃を道路脇へ運んでいる。




・・・北京では、しょっちゅう桃が道路で山になるのか?(違)





桃を通りすぎたら、渋滞は全く解消された。
北京では、限りなくバイクに近い自転車と限りなく自転車に近いバイクがたくさん走っていた。
車はきれい。
トヨタマツダ・ドイツ車も多いね。
車線はあってもないような感覚でブイブイ割り込む。
車同士の会話のようにクラクションもよく鳴らす。
そして、真ん中の車線でタクシーに乗ったりする。
車優先社会なので、道路を渡るのがとても怖かったなあ。






結局、桃の渋滞で間に合わず、雑技団鑑賞は明日になってしまった。
でも、そのおかげで夕食がゆっくりとれた。
老舗「全娶徳」の北京ダック
北京料理は、宮廷料理なんだね。



この店自慢の臭いの残らない甘い長ネギ。そして味噌と一緒に皮で巻いていただく。
美味しい。




ホテルに戻るバスの中で、若い夫婦が「途中で降りて、地下鉄で観光に行って来る」と言い出した。
単独行動は全く想定していなかったけど、自由行動こそ旅の楽しみと勘違い?している中国初心者の私と3号コンビは、この夫婦について行けばなんとかなるだろうと思い、





「私と3号もここでバスを降ります!」



数秒後に気が変わった奥様が、 「こちらはやっぱり止めます」






ええっ!?





バスは去っていった。
ここはどこ?
3号と地図をのぞきこむと、ホテルのすぐそばだった。
戻ってくるべき地下鉄の駅名を確認して、 「王府井」という繁華街へ繰り出すことにした。
乗換もあるよ、だいじょうぶかな・・・




北京オリンピック後だったためか、かなり施設は整えられていた。
地下鉄も3号が私を誘導できるほど分かりやすい。
JRと私鉄という違いもなく、全部同じ路線で均一料金だから、1度だけ2元(約30円)の切符を買えばOK。



到着した王府井(ワンフーチン)は、新宿・渋谷と銀座を合わせたような賑やかな街。
夜も遅くまで活気がある。


デパート


肯徳基は、ケンタッキー


中国茶の店


「奥の露天街に行くと、食用のキリギリスやサソリを売ってるよ」とニコニコしながら、私たちのガイドさん(元気で素朴な雰囲気の20代中国人女性)は教えてくれていた。
そういえば、ヘンな話で恐縮ですが・・・見えてしまった彼女の半袖の中。
あちらでは、伸ばし放題の人もいるんだね。(画像はありません)
その後、つい目をそらしてしまう私は、まだまだ器が小さい。




後編につづく。