ルーヴル美術展〜美の宮殿の子どもたち〜

uiui2009-04-12

国立西洋美術館でもルーヴル美術館展をやってるから、間違えないでね。
こちらは、国立新美術館で、テーマは、「子ども」。
目玉は、ラメセス朝時代の少女のミイラと棺。



ルーヴルには、「古代エジプト美術」「古代オリエント美術」「美術工芸品」「彫刻」「素描・版画」「古代ギリシャエトルリア・ローマ美術」という7部門があるのだけれど、通常はそれらの部門が別々に存在し、お互いの関わりは薄いそうだ。




ところが!




今回は、それら全ての部門が協力しあうことで実現したという点で特別な試みだったのだ。
「名作を並べるだけのミニ・ルーヴルでなく、子どもという感情を呼び起こすテーマを通して、異なる文明、時代と対話する。そこに、今回のおもしろさがある」というのは、ルーヴル美術館のロワレット館長の言葉だ。


世界の経済危機と文化は切り離せないとも言っている。
もちろん「高価な絵が売れなくなる」という意味じゃないよ。
美術や文化はいつも、人間とは?自然とは?の問いかけから生まれてくるのだから、確かにそうだよね。



紀元前2世紀半ばのエジプトでは、男の子の教育は父親の役目だったそうで、「他人の中傷をしてはいけない」などといったモラルの教えが書かれた「息子を教育しよう」という内容のパピルスの文書が出てきたり。
紀元前1069〜656年頃の書字版(子どもの勉強時のノート代わり)も出展されている。



おもしろいのは、時代や文化によって、子どもの捉え方が随分違うことだ。
ある展示物の前では、本当に「笑い声」がわいていた。
紀元前2620〜2500年頃の「夫婦と子どもの像」である。
ピラミッドの隣に座っていそうな夫婦が彫られているのだけど、その足元に一寸法師くらいの人間が立っている。
この小人は、どう見たって、おじさんで、エジプトに観光に来たおじさんの記念写真という図だ。
しかし、このおじさんが子どもを表すと。



小さけりゃいいと?





他に、おくるみに包まれているおじさん も発見しました。(誤解)




展覧会は、

第1章:誕生と幼い日々
第2章:子どもの日常生活
第3章:死をめぐって
第4章:子どもの肖像と家族の生活
第5章:古代の宗教と神話のなかの子ども
第6章:キリスト教美術のなかの子ども

と進む。


フェルメールレンブラントを率いる「17世紀ヨーロッパ絵画ルーヴル美術館展」も行きたいけれど、こちらもなかなかですよー。
昔、一度だけ本物のルーヴル美術館に行ったことがあるけれども、あの時は今より更に勉強不足な私だったので、こんなに感じるものはなかったなあ。




フットサルをした後での鑑賞だったので、ちょっと疲れた。
カフェで休憩。