ウコンの木と寄席
我が家の娘のうち2/3が、西田敏行はダチョウ倶楽部のメンバーだと思っていたという事実が発覚した、そんな週末。
なぜか連日、この近辺にいる。
新宿御苑でのお花見の翌日、初「末広亭」。
2分咲きくらいではあるけれど、春が止まらないといった感じの桜。
小枝ではなく、太い横枝から突然、花。
そうか。御苑は、飲酒禁止なんだね。そうなんだね。そうなんだね。
なにかな?その泡が出てる麦茶は?
御苑には、せっかく大きなウコンの木があって、悪酔いを阻止してくれそうなのに残念だねっ。(と思ったけど、ウコンと鬱金は別物で、ここにあるのはウコン=ターメリックではない鬱金の方だそうです。情報 by じぞさん)
鬱金は、緑色の花が咲く御衣黄(ギョイコウ)の仲間だったのかー。
最近、落語に興味をそそられ、連載誌「落語」は志ん生と5代目小さんのものを買って、CDを聴いてみた。
いよいよ本物を聴いてみようと思ったけれど、文楽ブームなのね。
独演会などは、数ヶ月先までチケット完売。
そこで、特にひいきの噺家さんがいるわけでもないので、知人の勧めもあって、寄席に行く事にした。
ここなら、昼から夜まで見ても2,700円だ。
色々な噺を試せて、お得ー。
全く勝手が分からないので、なんとなく流れで座ったのが2列目のど真ん中。
中座するのに勇気がいりそう。
飲食OKなので、幕の内弁当やら手弁当のいろんな匂いがまじっていて、雑音こそ少ないのに匂いが賑やかである。
噺家さんの視線は草食動物系で、どこにも焦点があっていないようで、実はいろんなところを見てる。
こちらが見てるはずの私も見られている感じがする。
いかにも初めて来ましたという風貌だったのかな。
奇術師の松旭斉 八重子さんが手品で使ったロープをウィニングボールみたいに私に投げてくれた。
ナンセンスでもあり、シニカルでもある笑い。
なにより噺家さん自体に「お客を笑わせなくちゃ」系の焦りがなくて(あるのかもしれないけど)、なんだか安心して見ていられるのがうれしい。
人を泣かせたり、怒らせるのは簡単だけれども、笑わせるのって、とても難しいと思う。
笑いでコケると、お互いつらいしねー。
しかも、TVや大舞台の一方通行的な芸ではなく、噺家と観客が一体化した芸だから、そこは余計つらい。
そういう噺も1つ2つあったかな。
それにしても、それぞれの噺家さんの武器がいちいち違うからおもしろいね。しかも、ちゃんと自分に合った噺を持ってくる。
当たり前だけど、お客にウケるからといって、身丈に合わない噺はしないのだろう。
時事ネタも多い。
落語だけじゃなくて、漫談もあった。
ギタレレ漫談のぴろきさんは、くいだおれ太郎みたいな格好をした年配男性。
ぽろぽろとギタレレを弾きながら、次から次へと切り返しのネタを振り出し、ネタの合間にひっひっひっひと笑う。
やや自虐的なネタが多いのだけれど、オチを言わずに観客の想像力を使って、ただ「・・・そういうことですっ」と締める。
1つだけ書いちゃうと、
「こんな私も1度だけプロポーズをしたことがあるんです。
僕と結婚してください!
君と結婚できなかったら、僕は死んで しまいます!!!
そう言って、プロポーズしたら、彼女。
すぐに式場を押さえてくれたんです。
・・・・そういうことですっ。
ひっひっひっひっひ。」
という感じ。
マグナム小林さんは、ヴァイオリンを弾きこなす。
芸のためにとってつけたような演奏をするのではなく、かなりの演奏家のようだ。
救急車などの日常の音をヴァイオリンで再現した揚げ句、タップシューズを履いて、
暴れん坊将軍の馬役(の蹄といななき)とテーマ曲を同時演奏(?)
なんか疲れてきたなあと思ったら、あっという間に3時間が経っていた。
他の出演者は、
昔々亭 慎太郎
春風亭 柳好
三遊亭 金遊
三笑亭 可楽
えーと、他にもいたような。
また行ってみよう。
新宿通りでは、交通安全週間のイベントらしく、警視庁のパレードが始まるところだった。