東京物語

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広島県尾道に住む老夫婦が、東京にいる娘や息子の家を訪れる。
時は1950年代で、もちろん新幹線はない。
戦死した次男のお嫁さん(のり子)も東京におり、8年も経つのにまだ亡き夫の写真を掲げて、独りで暮らしている。
東京では、みなそれぞれに生活を抱えている。
はるばる訪ねてきてくれた両親をもてなそうとするのだけれど、そこに老夫婦が落ち着く場はなかった。
のり子さんだけは、心からのもてなしで、義父母の心を寛がせることができるのだけれど、彼女も実は「現実の生活」が立ちはだかっている自分の中にある本当の気持に気付いており、自責の念に苛まされていた。

東京から尾道に戻った老夫婦に起きた出来事が、更に離れて暮らす家族を浮き彫りにする。
そして、その時、のり子さんは自分の気持ちを告白する。




映画と同じように、実家の母と離れて暮らす私としては、身につまされる想いがした。
実家の母が、私の家を訪れた時も同じように感じているであろうことを確信する。
時間の経過による効果は、人間にとても大事だけれど、時に残酷。
特に無防備に、まっしぐらに生きてきた人にとって、時間の経過は、詐欺師のようなふるまいをすることもあるのだろう。
「どうしようもない」と言えば、それまでなんだけど。
誰も悪くはないんだけれど。


母のために何かできるとしたら、今のところ、それは私以外にいないんだよね。
母は、今の私のことをよく知らない。
だけど、私たちのことを心から考えてくれる母の気持ちに対して、応えてみたいと考えていたこのタイミングに、いい映画を観たのかも。



ちなみに一緒に観ていた娘3号の感想。




娘3号:台詞が学芸会調だね!おもしろいっ。





そこなのか?





娘3号:ウチワの登場が多すぎ!


たしかに。
エアコンがなかった頃の日本人は、ウチワのお陰で毎夏、卓球部並の手首の強さとなっていたに違いない。



でも、そこなのか?