THE有頂天ホテルTHE 有頂天ホテル スペシャル・エディション [DVD]出版社/メーカー: 東宝発売日: 2006/08/11メディア: DVD購入: 3人 クリック: 54回この商品を含むブログ (344件) を見る

すごい豪華キャスト。
晦日のカウントダウンパーティーを控えたホテルを舞台に、彼らが演じる働く者・集う客は、全てが主役だ。
客室マネージャー(役所広司)、ミュージシャン志望のベルボーイ(香取慎吾)、コールガール(篠原涼子)・・・
オダギリジョーに、八木亜希子に、川平慈英に、西田敏行・・・
スキャンダルを抱えて政治生命が危うい政治家(佐藤浩市)は、なかなかよかったなぁ。
総支配人の伊東四郎なんて、顔にドーラン塗って、逃げ回っているだけなのに、やはりしっかり主役の1人となっている。


三田幸喜さんのうまさが際立つ作品なのではと思った。
全編にわたって、いくつもの笑いネタが、しかもその場限りでなく、糸をひくように続きながら、場面の合間に顔を出す。
生真面目で一生懸命ゆえの現実とのズレやトンチンカンは、心の奥で
 ぷっ!と吹きだす笑いを作るのだけど、それは、軽蔑などではなくて、どこか自分の中にある記憶と重なって見守るような種類の笑いだ。
笑った後で、そのトンチンカンな登場人物を尊敬する気持ちが湧いてきちゃうのだ。


そうやって、ヘラヘラ笑っていると、今度は「人生って、甘くないよ」と
キュッとしめる。
そして、また、必ずホワッとした温かさを置いておく。
ドタバタなストーリーが、映画を観てる人を疲れさせないね。
ちょっとだけ絡み合っていたそれぞれの人生は、それなりにうまくやっていたつもりだったのに、この大晦日の晩に急激に、不必要に絡み始める。
同じ場面に登場人物のほとんどが登場したりすることもあるのに、話が混乱しないのもすごいな。


巨大ホテルの仕組み(見えない部署)って、ほんとにこんな感じなのかな。
厨房やクラーク、リネン担当はともかく、筆耕担当にまでスポットライトを当てたこの映画。
職場担当の特徴をうまく掴んだ笑いが、予測不明だ。
映画が終わった時だけHappyなのでなく、その後もじ〜んじ〜んと楽しさが残ったよ。