神宮軟式球場からアルゼンチンへ、そして。

uiui2008-03-10


母校(広島)野球部の関東在住OBで野球をやろうという声があがり、幹事の奔走で開催にこぎつけた。




相手は、D東B化大OBチーム。
場所は、神宮軟式野球場。

管理棟の前でタバコ吸ってる時点で、おじさん野球を想像したけど、やっぱりグランドに立つと気持ちが引き締まるのかな。
高校在学中みたいに、先輩の「走って来いっ!」が飛んできそうな気がする三つ子の魂?
皆さん、ユニフォームに違和感なし。
応援に駆けつけたCさんは、メンバーの体型チェックに厳しい眼をゆるめない。




「○○くんは、奥さんがすっごくオシャレだから、本人もやっぱりねー」
ハナマルをもらっていた。





なるほど、そういうものか・・・・



神宮球場は、広いグランドの周りに高いビルが並んでいて、広島市民球場を思わせる。
でも、私自身は、あまり野球には縁がなかったなー。





子どもの頃、公園で男の子に混じって、野球をやってたんだけどね。
打席に入って、打って、バットを下ろして置いたつもりが、キャッチャーの足にぶつかっちゃって。
しばらくキャッチャーの男の子が痛そうにしてた。
それから、野球は怖くなった。





前科者が現場に近寄らない心理?





野球って、あれだけ過酷な練習をしても、その成果を見せられる「時間」が圧倒的に少ないという点で、残酷なスポーツだなあと思う。
自分のところにボールが来るわずかな確率に成果を結集しなくちゃいけない。
運も強くないとダメかも。






とかいいつつ。






応援は1回表まで。←応援というより覗き見





にしすがも創造舎にて、「東京国際芸術祭2008」の一環であるお芝居を観にいくから。

ここ20年ほど?アルゼンチンの現代演劇を牽引する演出家ダニエル・ペネ
ロッセが、チェーホフの「三人姉妹」を取り上げた。
しかも、「姉妹」のところを「兄弟」にしてしまった。
配役全部の男女を入れ替えてしまったのだ。
お芝居の最後に、演出家本人が語ったところによると、もともと「三人姉妹」をやろうと思っていたのだけれど、最初に集めた俳優たちがどうもしっくりこなかったそうで。
あーでもない、こーでもないと考えるうち、男女を入れ替えたら、すんなりいったからやってみたとのこと。
女性軍人に囲まれて暮らしている三人兄弟という設定になってしまった。
お芝居のタイトルは、





「溺れる男」






「三人姉妹」で「年配の男性軍人が、若い女性に求婚する」



というシーンが、




「溺れる男」では、「年配の女性軍人が、若い男性に求婚する」




となってしまうわけで、やや違和感はある。
この劇で使われるスペイン語は、言葉に男性形・女性形があるので、俳優自身がやや混乱することもあったそうだ。
でも、この設定変換のおかげで、チェーホフの不変の問いかけ「人生って、なんだっけ?」が浮かび上がってくるのだ。
兄弟たちが「溺れて」いるのは、「人生」。



照明も落とし、舞台装置もずっと同じまま。
12名の俳優が、小道具を印象的に使うことで、場面や視点が切り替わったことを観客に気づかせる。
日本語の字幕付なのだけど、私の4級スペイン語(英検の2級同等くらい)しかも、最近勉強してないこの語学力で聞いても、字幕の方はかなり台詞が省かれていることが分かるので、全部スペイン語で理解できたらなあと、やや悲しい気持ちになる。

お芝居の後で、演出家と俳優さんと観客でポストパフォーマンストークがあり、質問タイムも。
俳優さんが「日本との文化の違いに驚いた。例えば、朝から魚を食べるなんてアルゼンチンでは考えられない」と言っていた。
アルゼンチンでの一般的な朝食は、「コーヒーとマテ茶とクロワッサンだ」とのこと。
それに、他の国だと、お芝居をやるにあたって、まずお金がないと誰も手をつけないけれど、アルゼンチンでは人と場所さえあればやるのだそうだ。
お金は後からついてくる「かも」しれないのだ。
そんなお国柄なので、収容人数が10〜20名という小さな劇場から立派な劇場まで、たくさんあるのだそうだ。

12年来ずっとアルゼンチンに行ってみたいと思っている私が決意を新たにする瞬間。




とかいいつつ。






近々の旅を思い、読んでみる。
「五足の靴」
北原白秋与謝野鉄幹・木下杢太郎・吉井勇・平野萬里の5人の合作紀行文。
広島の厳島を振り出しに、福岡・柳川・唐津・平戸・長崎・天草を巡ったものだが、新聞に連載されたもののうちどれを誰が書いたのかは分からない。
私が読んだのは、パアテルさん(キリスト教教会の神父)に会うために向かう天草への道中。
名高い作家達が若かりし頃の旅で出会うハプニングや、作家同士の素顔をお互いに観察。
これが結構ドタバタで、ふふと笑ってしまう。
出だしが、またよい感じだ。
他に「木下杢太郎詩集」。
北原白秋の「邪宗門」は、五感で書かれてる詩集。
全編にわたって、紅色の印象が強い。

五足の靴 (岩波文庫)

五足の靴 (岩波文庫)