ニュールンベルグ裁判

ニュールンベルグ裁判 [VHS]

ニュールンベルグ裁判 [VHS]


あなたも戦犯になってしまう・・・?



これは、第二次世界大戦におけるドイツが行った戦争犯罪を裁く国際軍事裁判。
1945年11月20日〜1946年10月1日にわたり実際に行われた裁判です。
なので、wikiなどでも、実際にどういう面々がどんな判決を受けたか掲載されています。


ナチス・ドイツが行った残虐な行為について、どこに原因があり、どう責任をとるべきなのかを裁いていきます。
舞台は、ナチスの党大会が開催されていたニュルンベルク
残虐とされたドイツの人々は皆が皆、それぞれの戦争体験を背負っているけれど、みんながガス室の栓を開いたのでなく、大量殺戮をした後の遺体をブルドーザーで運んで埋めたことをみんなが把握していたわけではない。
子どもをどんな風に殺すのか、その方法を国民全てが共有していたわけではない。


また、裁くアメリカも同様に軍国であるし、正義をどこに焦点をおくべきか、人間としての視点・裁判の意義とどう折り合いをつけるのか、とても悩ましい展開になっていきます。


戦争のおぞましい映像もいくつかは出てくるけれど、実際にその地獄絵図のような現場に立ち会うことはなかったドイツ人たちの生活や精神はどうであったのか、どんな風に戦争が国を飲み込んでいったかが伝わってきます。
普段、「平和が一番。人を殺すなんて、サイテー」と言っている人が、どのように戦争という「生活」に馴染んでいくのか。
どうして、あんなに非人道的な行為が肯定されるようになるのか。
ドイツの国民は、何を知っていて、何を知ろうとしなかったのか。
どんな意識が、「大量に殺すのは簡単。遺体の処理が大変なんだ。」と言わしめたのか。



「本当は、とても正義感にあふれる軌跡を残してきた人で、国のせいであんなことをせざるを得なかったんです」と言われた人物。
その人物の裁判での行動と判決。
そして最後の最後にこの時の裁判官にかけられた言葉。
戦争を山の土砂くずれに例えるなら、最初の石ころ1つが転げ始めた瞬間をこの裁判官は示唆します。




軍事裁判は、単なる正義のジャッジではないということに気づいて、オドロキました。
今後の負けた国・勝った国の関係をよりよくする(負けた国が勝った国に反発心を持たないで服従するなど)ことに留意されるのね。



出演は、名優ぞろいです。