醸華町(じょうかまち)

uiui2007-05-12


広島に12年住んでいたのに、自ら訪ねたのは初めての町「西条」(さいじょう)。
ただでさえ人見知らーな私なのに、初めて行く町に、一度も会ったことがない人を訪ねる。



土地勘は悪い方ではないので、なんとなく歩いていく。
お日様があっちだから、南がこっち。←土地勘といえるか?




・・・迷子になった。




初めて会うのに、電話でS.O.S.を出した。
もう覚悟はできた。
お顔のイラストでは、なんだかやさしそうな感じだったけど・・・。
電話の声は、爽やかなテノールだったけど・・・。



電話を切って、交差点で仁王立ち。
たとえグリズリーみたいな人だったりしても! かかってこいっ!!!



しばらくして、電話がかかってきた



「あ、そうです。そうです。私、そこにいるんですー。」
私の頼りない言葉をもとに、迷子地点を調べてくださったのでした。
誘導ありがとうございます。



商売をやっている方なので、お店にはいると、あはは。
オンラインで交流している感じと全く同じ人だった。
知り合いのお兄さんという雰囲気で、気兼ねなく色々話してくださったのだが、実はすごく気を遣うタイプなのではないかなあとも感じる。
それゆえの人望の篤さなのでしょう。
商売しながらの面会であったので、あれこれな話題で楽しかったけど、1時間ほどで失礼してきた。



しかーし。
この西条という町。
「酒蔵の町」である。
自らを「醸華町」(じょうかまち)と謳っておる。
   
 酒蔵の煙突                本陣は、幕府の人の宿泊所

次はいつ訪れる事ができるかわからないのに、とっとと失礼してはなりません。
駅にもほら!
酒造りの様子が彫られているのよ。 
涼しい気候と名水に恵まれたこの土地は、日本三大名醸地の1つらしいよ。
知らなかった。


酒蔵通りと呼ばれる駅前一帯には、白壁やなまこ壁の酒蔵が軒を連ねる。
         

酒蔵ごとに、仕込み水をとる井戸がある。
自由に水を飲むこともできるよ。
喉にするりとはいってきて、体液に近い水なのかと思ってしまう。




へええ。
広島のお酒に「キレイ」というのがあるのは知っていたけど、



「きれいなおねーさん」の「キレイ」ではなくて、


「亀齢」だった。



いつまでもおねーさんかあ。←妖怪






平日だから、観光客はあまり見かけないけれど、酒蔵は見学や試飲が可能らしい。
暗くてひんやりする酒蔵内は、働く人の姿さえほとんど見えない。
トップ画像のように暗い通路を勝手に抜けていく。
 


酒蔵の中には、空いている蔵をギャラリーや喫茶(試飲もできる)にしているところがある。
もとは、お客用の施設でないので、入り口も狭くて分かりにくい。

山陽鶴酒蔵内にある「倉凛くぼまち」で食べた「酒蔵カレー」。
仕込み水でいれたコーヒー付。
そんなにお酒の味はしない。


昔のミシンが無造作に置かれている。
「写真撮っていいですか?」と尋ねたら、「蔵の奥から出てきたんですよ。そんなのでよかったら、どうぞ〜。古いものがお好きなんですか?」と同年くらいの店員さん。
この町の人と私は、全く違った時間の感じ方や古さの観念をもって育ったんだろうなあ。
少しだけ、この町の時間の流れに漂わせてくださいね〜。




もう少し足をのばして、「賀茂輝酒蔵」へ。
ここには、「円座」というカフェがある。
土壁の蔵の中には、昔の精米機のようなものがあるけど、他のスペースにはびっしりと和風の小物などが売られている。
そして、ここでは、吟醸酒をかけていただくシフォンケーキを。



店員さん:かけすぎると苦くなります。


ドボドボ・・・


にがっ!!



♪オレの、オレの、オレの話をきけ〜
(by クレイジーケンバンド
 





ブランデーケーキが和風に、そしてピリリと変身した感じかな。
懲りずに、もう1つ。



甘酒
甘酒は、昔は暑いときの飲み物だったんだって。
これが、涙でそうにおいしい。←演歌にもならない風景




町をあげての「はしご酒祭」もあるんだ?
ほうほう、いつなの?
   

・・・11月?
前売り券て・・・なくしちゃうよぅ。




あちこちに土産物屋があったり、酒饅頭を売っているような観光化はされていない。
水が湧くように、時間が流れている街だ。
次はだれかと一緒に来たいなあ。
そして、次回は、美酒鍋に挑戦!
酒蔵の蔵人が食べていたもので、鶏肉を焦げ目がつく程度に炒めた中へ、野菜たっぷりと酒をいれて作る鍋料理だそうだ。


こんな町を訪れるきっかけをつくってくださって、ありがとうございます!!
旧いつながりが、新しいおつきあいを生み出していく、不思議な2日間だったなあ。