筒井版悪魔の辞典
- 作者: アンブローズビアス,Ambrose Bierce,筒井康隆
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2002/10/09
- メディア: 単行本
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テロだの、核兵器だの、腐敗政治だの、公害だの・・・
もうワラワラと悪魔が存在しているとしか思えませんよねっ。
さあ、あなたも黒とかげやニワトリや藁人形を手に!
悪魔になってしまった方が気が楽ってもんです。
という本ではありません。
短歌や川柳で、世の中を表現するのは、今も流行ってますが、著者のビアスは「辞典」の形式で、対象となるものを黒く表現・説明・・・皮肉っています。
解説の一部として散りばめられた詩たちもなかなかブラック。
悪魔でも、いえ、あくまでもビアスが作った辞典なので、「いちゃもん屋」や「性格の不一致」などという言葉がはいっていたり。
ビアスは、1842年生まれで、1913年に革命さなかのメキシコに行ったまま消息不明になってしまったそうです。
悪魔に才能を買われて、つれていかれてしまったのでしょうか。
さて、どんな感じで黒いかというと・・・・
本文より:
「ACEPHALOUS【無頭の】形
サラセン兵の三日月刀で首を斬られていることに気付かなかった十字軍の兵士が、数時間後なにげなく自分の前髪を引っ張ったために起きた驚くべき状態。」
「BRUTE【獣】名
HUSBAND【夫】の項を見よ。」
「CONFIDANT(男性形) CONFIDANTE(女性形)【腹心の友】名
Aが、信頼してBの秘密を明かす相手。彼(B)はCにだけ打ち明けたのだが。」
こんな感じ。
この本は、これまでにも翻訳されていたようなんだけど、どうも英文の韻(というかダジャレ?)や皮肉がうまく訳せていなかったようです。
そのため、今回は、翻訳者として「筒井康隆氏」に白羽の矢を立てたとのこと。
辞典の解説文はもちろん、訳注まで筒井節ですよー。