押入れのちよ

押入れのちよ

押入れのちよ

プチ恐怖な短編集。
著者はコピーライターをやっていたことがあるだけあって、読者の反応をちゃんと計算している。
だけど、それがわざとらしかったり、イヤラシイ感じになったりしていないところがこの短編たちがウマイところ。
読者を怖がらせるために話のつじつまに無理があってつらい・・・てな感じもないです。
ユーモラスな登場人物の描写もいいなあ。(これは読者の恐怖への落ち率を上げる作戦かも)ちよちゃんのキャラは、笑えます。


ブルッと背中が寒くなった後で、快くヤラレた感覚が残ります。


ストーリーはどちらかというと、展開の予測がつきそうなほどオーソドックスなものが多いのに読むのをやめられない。
遊園地のお化け屋敷に似ています。
お化けや道具に怖がらせられるのは分かっていて、中も大体想像がついたりもするのだけど、必ず予想外の怖さがあるのも分かっているので、ついはいってしまう。
ちょっとした怖いものみたさを十分満足させてくれます。
「介護の鬼」は、かなり怖い・・・・