「エデンの命題」

スタジオでのドラム練習は昨日したし、今日の夕食は娘2号が「私が作るから台所に来ないで」と言ってるし。
今日は、読書dayにしよう♪


まずは、「エデンの命題」

エデンの命題 The Proposition of Eden (カッパノベルス)

エデンの命題 The Proposition of Eden (カッパノベルス)


この本には、2話はいってまして、1つが「エデンの命題」で、もう1つが「ヘルター・スケルター」。

「エデンの命題」は、アスペルガー症候群という病を持ったザッカリくんの話。
アスペルガー症候群は、自閉症の一種で、社会適応力はなくてもある方面において非常に高度な能力をもっていたりする。
アスピーエデンでは、そういった人たちが療育されるために集まっていた。
ザッカリくんもそれを認識しつつ、幸せに暮らしていた。
ところが、エデンなどという楽園の名は表向き。
そこは、ある目的のために作られたクローン人間を養っている「クローン農場」だった!?
旧約聖書の新しい解釈をつけながら、どんどん事態が展開していきます。


ヘルター・スケルター」は、同名のビートルズの曲を題材に(本題というわけではない)、犯罪者の心理を医学的に説明しているところがとてもおもしろい。
脳への影響が、身体の動きだけでなく、人格を形成しているということがよく分かります。
「uikoさんは、こういう人」という評も、身体と脳の偶然でできた結果なのかもしれません。



どちらの話も、身体と脳の手品に本人が惑わされ、翻弄されて、「自分が誰なのか」という真実の存在を失いかける場面をうまく描きすぎていて恐怖です。
病を持つ者の心理と、症状や遺伝、生態的な話をわかりやすい医学で説明してあり、ストーリーにますます引っ張りまわされます。
「クローンを作る」方法についてが、まさにそれ。
そして、その先に待っている結果は読者を再々裏切ります。