お江戸ガールズライフ

お江戸ガールズライフ

お江戸ガールズライフ

江戸文化について書かれた本は多いけど、この本では当時の10代の女の子たちの実態について密着レポート。
なにせ結婚が今よりずっと早い時代なので、「娘」時代は本当に短い。楽しまなくっちゃ!な「おちゃっぴい」たち。



絹などの高価なものや派手なものを身につけてはいけないというお上からのお達しが、かえって独特の「粋」という美意識を作りだした時代。
若い女の子だからといって、派手な色は身につけない。茶や鼠色が主流。
それでも、地味〜な色の着物にチラリと見える衿や下着に明るい色を入れたり、裏地を豪華にしたりと知恵を絞る。
着物が欲しい時には、古着屋さんへ。
江戸時代って、衣類に限らずリサイクルのシステムがかなり充実していたんだね。
芝居見物や婚礼などの晴れの日の衣装は、レンタルショップ
そういえば、貸本屋さんも人気があったらしいね。
人情本(江戸時代のハ―レクインロマンス的)は、大人に読んでるところを見られると恥ずかしいことだったとか。
ほとんどの結婚が親が決めていたので、「惚れあう」ことへの未知なる憧れは、今よりも大きかったんだろなあ。



江戸娘たちに人気の着物の柄等も紹介。

「コウモリつなぎ」や「団扇文様」。
「ネズミ小紋」は子ども用ではなく、男性も着用していたとか。
「据え風呂つなぎ」は、「自宅に風呂がある」という憧れからできた模様。
魚の開きや虱など、なんでもOKらしい。




帯もどんどん変化。
江戸初期には、ひも程度だったのに、だんだん幅広に、そして長ーく。
ボリュームがアップしてしまったため、当初は前や横で結んだりもしていた帯だけど、後ろでないと邪魔になってしまったらしい。
現代のファッションや流行が変わっていくのと同じように、江戸時代もかなり変化したんだね。


現代も「ナチュラルに見えるメイク」という実はかなり手の込んだお化粧法が今もあるけれど、方法は違えど江戸時代にもあったとはオドロキ。
そんな隠化粧テクも紹介されている。



TVもネットもない時代、江戸娘たちのバイブルとしてロングセラーとなった本が「都風俗化粧伝(みやこふうぞくけわいでん)」。
お化粧法だけでなく、歩き方や鼻を高くするおなじないなども書かれたトータルビューティーブック。
なんと、京都、大阪、江戸で発行され、明治・大正時代まで増刷を重ねたらしい。




混浴が普通だったお風呂屋さんは、かなり暗かったらしいけど、やはり痴漢がいて困ったりもしたそうだ。
一方で、気になる男性とお近づきになるコミュニケーションの場でもあったとか。
不思議な社交場だったんだなあ。
もちろん米ぬかなどを使って、お肌を白く、ピカピカにすることに余念なし。



歌舞伎役者への熱の上げ方は、現代の女の子がジャニーズをおっかけるのと同じ!
ラブレターの書き方マニュアル「ねんごろの男のかたへ遣わす本」「深き思いにたえ忍びやる文」などもあったらしい。
書くときは、気持ちを伝える重要部分の筆書きを太くするとか、墨を濃くするとか・・・




江戸の女の子たちが、様々な制約やお稽古でびっしりな1日をそれでも謳歌しようとしている様子が目に浮かぶよう。
そして、現代の女の子とも仲良くなれそうな親近感がわいてくるよ。