ナメクジの言い分
- 作者: 足立則夫
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2012/10/05
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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カタツムリは歌まで作られ、かわいがられているのに、ナメクジときたら、かの枕草子において清少納言に
いみじう きたなきもの なめくぢ
1000年も前にすでに嫌われている。
でも、それがなんだ。
ナメクジは中生代(2億5200万年前〜6500万年前)前期にはすでにいたんだ。
水中の軟体動物が陸にあがってナメクジに進化したり、カタツムリからナメクジになったりしたようで、ナメクジがナメクジとして独立したのがいつかを定めるの難しいらしいけど、2億年前くらいじゃないかと。
ふん。
そんな無防備な姿で生き残ったなんて、恐竜よりすごいな、ナメクジ!
単細胞みたいに見えるけど、ノーミソだってある。
心臓ももちろんあって、脈拍は人間と同じくらい。
口がすごい。
触角の下あたりに唇にあたるものがあるらしいんだけど、そこにある舌の役割をする口球の表面に矢じりのような小さな歯が2万7000枚もあるとか。
園芸を楽しむ人が大事な葉を穴だらけにされて怒るのは、この歯のせいだね。
著者が部屋で飼育していたナメクジが逃亡し、ある本の上で憤死していたと。
その本の表紙が、
「大人の見識 軽操なる日本人へ
急ぎの用はゆっくりと 理詰めで人を責めるな・・・」
だったらしい。
知られざるナメクジの知識としてもおもしろいんだけど、著者のユーモアのセンスが光る。
自分で調べる気にはなれなかったけど、気になっていた真実がここに!?