縁 ENISHI 現代茶ノ湯スタイル展

uiui2011-10-15

たしか小学生の頃、茶道部にいた私。
学校でお茶やお菓子がもらえる!という不純というか、超純粋な動機で入部。
教室の机でお茶を点てたっけ。
ふくさや懐紙に翻弄されたっけ。
先生に、「裏千家です」と教えられ、意味も分からず「なんだ、裏かー」とがっかりした教養のない小学生。



先日寄ったある高校にはちゃんと茶室もあって、茶道部には男子も複数いた。
その日は、袴姿で客人達に茶を点て、お菓子を出してくれた。




さて、あるご縁で、友人のご主人である茶人:近藤俊太郎氏が参加する企画展に行くことになった。
この茶人、 「アバンギャルド茶会」なる活動を起こしている方だ。
古典的な文化を化石にせず、生活に取り込んでしまう「生きた」茶のスタイルを提案している。



企画展「縁 ENISHI 現代茶ノ湯スタイル展」(西武渋谷にて10/24まで)は、気鋭の茶道家:松村宗亮氏を総合演出として、茶碗を作る人、道具を作る人、お茶を点てる人、飲む人みんなを巻きこんだ試み。
宇宙をモチーフにして茶ノ湯を楽しむ「宇宙茶会」では、「宇宙十職」というプロジェクトも。
水金地火木土天海冥」それぞれをイメージして作った茶碗を陶芸家たちが持ち寄っていたり、書道家もいたりと、茶に関わる人が参加しているそうだ。
宇宙茶碗は、この企画展に展示してあり、必見!

他の展示では、苫米地正樹さんのターコイズブルーの茶碗に魅せられた。




しかし、どうもたくさんのものを所持しているのが苦手な私は、高価な茶碗や道具を集めて眺める気には到底ならないのだけど、この日のトークショーに現れた陶芸家:大江憲一さんには驚いた。
キャップかぶって、作業系パンツスタイル。
モヒカン。
大きなバッグにはヤカンがついている。
正直、


陶芸家のイメージから遠い。




茶人のイメージからは、もーっと遠い。

右が近藤氏、真ん中が大江氏。


しかーし。

このバッグを開ける・・・いや、広げると敷物に変身。


中から出てきたブリキの箱からは、茶碗やら茶せんやらがモリモリ出てきた。
ヤカンは、そういうことか!!


ええ、この方はお茶は習ったことはないけれども、自由に好きな時に好きな場所で一服する自由茶人だったのだ。




ああ、いいねえ。
これなら、いつでも誰でもお茶を始められるね。
しかも、お茶碗は育っていくんだって。
革製品が使いこむうちに風合いが出てくるように、焼き物も変わっていくタイプのものがある。
ガールズの祖父母が有田焼の街に住んでいるため、うちには有田焼が多いのだけど、多分有田焼は育たないタイプなのだろう。



企画展には、輝洸庵(きこうあん)という茶室まで造られていた。
渋谷西武B館の一角がぽっかりと違う空気になっている。
千利休の茶室造りの逸話を思い出しちゃうね。
松村さん監修のもとに造られたそうで、企画展の期間限定。
茶会も行われ、整理券をもらえば参加できる。



気軽に気負わず、楽しんで飲んでください。


とお茶を点ててくれた近藤茶人が言ってくれたので、そのように飲んだ。
おいしかった。
なにせこの茶人、朝茶会も催しているそうだけど、まるでコーヒーのように、ぷはぁ〜と言いながらお茶を楽しんでいる人なのである。



お菓子もコラボ。
創作和菓子ユニットwagashi asobi作の「ドライフルーツ羊羹」。
洋酒もはいったお菓子だけど、日本酒にも合いそう。



茶道って、究極のおもてなしの心の表現なのだったなあ。
堅苦しくて、客人が居心地が悪いようではだめ。
美しい所作や心遣い、そして無駄のない動きで、客人に喜んでもらうというアートワークなんだよね。






渋谷パルコの一角にハイボールコーナーができていた。
バナナが置いてあっても気付かないような黄色い空間。



仙台土産にいただいた「卵酒」。

カスタードクリームみたいにドロドロしてるし、きっと甘いシロップみたいな飲み物なんだろうと思ったら、結構日本酒だった。
これについていた説明によると、昔の女性は日本酒を飲む機会があまりなかったが、「風邪をひいたから、卵酒飲まなくちゃ」と言い訳して酒を飲んでいたとか。
飲み方が色々あって、ロックはもちろん、牛乳割。凍らせて練乳をかける。ジンジャーエールやコーヒー牛乳で割る。



ロックでいいです・・・