尾の道の沖と初体験

uiui2008-05-05


広島に向かう夜行バスが、吉備SAに寄ったので、まずは大事なミッションを敢行する。



ミッション:きびだんごを買ってきて。(娘3号)





広島では、あまり売っていない。
岡山のSAならあるだろうということで。
パッケージは、五味太郎さんのイラストだ。すごいな。


おまけのシールまでついてる。
「鬼」と「桃太郎」は分かる。
まんなかの「海ぼうず」て?





さて、高校卒業後、広島を離れた私の広島探訪記(今、決めた)。
よそ者ではないけれど、地元人ともいえない人間が見た広島をレポートします。
西条、呉、竹原に続く第4弾は、




尾道」 



「古寺MAP」 「文学MAP」 「映画ロケ地MAP」といろんな文化の視点での探訪ができるこの街は、街自体に惹きつける風情が溢れている。
観光名所にいちいち土産物屋があるではなく、昔からの時間を淡々と刻んでいる。
そして、最大の魅力は、寺や石碑自体というより、確かにそこにいた人たちの匂いが強く残っていること。
「観に行く」というより「会いに行く」感じが強い。
観光を売りにしている割りに、派手な商売気がない。
でも、web情報や資料が充実しているので、裏道やひっそりしたポイントを発掘しようという気持ちになれるのも魅力だね。


それぞれのMAPから、気になるところをピックアップしてまわる。

<古寺ポイント>
●千光寺
なんだか見所満載なお寺。806年開基。 
「本堂」はもちろん、
「鏡岩」(岩に鏡がついてる)
「玉の岩」(巨大な岩の上に、真ん丸の珠が載っている)
梵字岩」(巨大な岩の壁面に梵字が時計の文字盤状に書かれている)
「くさり山」(ぶらさがっている鎖を持って岩を登るロッククライミング

・・・などなど、サーカスちっくなものも含めて、16箇所もポイントがある賑やかな寺。



●天寧寺
1367年に足利義詮が建立。
庭で咲き乱れる牡丹と対照的に、堂に入ると、厳かな空気。
五百羅漢は、最前列の色つきのものが偉いそうな。

横にある僧の像は、自分が患っている部分と同じところをなでて祈ると、治癒すると言われている。
なでなでなでなで・・・そうそう、そこです。よろしくです。
ちーん。なむなむ。


<映画ポイント>
大きく分けて、点在する大林宣彦監督のロケ地と、小津安二郎監督のポイントになる。

●おのみち映画資料館

 キャッチコピーは「シネマが描く永遠の青春」だ。
大林監督のものはあまりないけど、小津監督については、撮影時のエピソードやこだわり、役者たち・・・
資料館としては小振りながら、伝えてくるものがある。
東京物語」(小津安二郎監督)を観てから訪ねて、ほんとによかった。
小津安二郎」の「津」がよく赤く書かれているのは、モノクロ映画であっても、監督が必ず映画の中に赤いものを印象的に配置していたからことを表しているんだね。




<文学ポイント>

●文学の小道
十返舎一九 「日のかげは青海原を照らしつつ 光る孔雀の尾の道の沖」

など、尾道ゆかりの人や立ち寄った文学者ら25名の句や節が書かれた歌碑が並ぶ道。
文化人の競演という趣だ。

●文学の館(林芙美子志賀直哉・中村憲吉らの旧居)
 作家たちが実際に使っていたものが展示されていたり、執筆していた部屋がそのまま残されていたりと、単なる資料館でなく、海を臨む縁側にそこにいた人を感じることができる。
林芙美子は、思っていたよりずっと行動的で、精神的にも幅の広い女性だったんだね。
心臓発作で亡くなる6時間前の写真があって、印象的。
あの階段の坂道は、彼らにとって、日常だったんだ。




<町並み>


●今川玉香園茶舗明治11年創業)

 現在の5代目は、まだ30代ながら、「チャイダー」(お茶とサイダーの合体版。包装がまたよい)や「大和ラムネ」など尾道土産のヒット商品の仕掛け人らしい。
小さな店舗とはいえ、自ら蔵を持ち、蔵出し茶を売る。
茶道具なども多く置いてる。
公開時期でないのに、蔵を見せてくださった。
「茶」印のはいった木箱以外にあったものは・・・
先代が孫のために作った手作り滑り台。
そして、ステップボードなる楽器。
「琴を練習するのがいやだ。足で弾ければいいのに」と言ったピアニストのために、琴の上に板を置き、足で踏むと音階が鳴るものを作ったのだそうだ。
若いおかみさんが、赤ちゃんを抱いたまま、「こんな感じです♪」と、ステップボードの上でピョンピョン飛んでくれた姿が、とてもキュート。
←ステップボード

昔、セイロンから輸入していた紅茶は戦争で止めてしまっていたのだが、地震の時に当時の船積み紅茶の箱が出てきたのをきっかけに輸入を再開。
尾道紅茶」の復活。
紅茶「桜の花便り」は、尾道市の花である桜(和菓子職人が厳選)がはいっていて良い香りだよ。
包装に書いてあったおいしい淹れ方手順には、熱湯を注ぎ、蒸らして飲む前に、「尾道の桜を少し思い出す」と書いてある。
                 

店の訓示かな。
「伝統とは、伝承に非ず。常に新しき事也」
よい言葉だね。


●八幡川酒蔵(江戸文政年間創業)

「芳醇辛口」がモットー。
実は、偶然寄っただけなのだけど、思いのほか老舗だった。
こういう古い町の財産のような店や建物が、肩肘張らず、自然に佇んでいる。
この店の雰囲気につられて、お土産を。
「八幡川紅にごり」
やわらかいピンク色は、赤色酵母を使用しているから。
にごりだけど、きりっとした味わい。





しっとりしつつ、スリリングな尾道を去った。
広島に戻って、母と行った温泉「ほのゆ」。
ここで、人生初体験。



エステ。



お顔プルプルコース。


一緒にやろうねと言っていた母が、受付の時に急に裏切った。
「いってらっしゃーい♪」
母の日のプレゼント代わりにと思っていたのに、私だけやってどうする?(涙)



終了したら、たしかにプルプル♪(画像なし)



しかーし。
3日間の賞味期限ですよー。(そのくらいで効果が消えるらしい)
連休明けて、出社した午前中あたりで半額セールか・・・・




母が行ってみたいということで、巨大な回転寿司「おんまく寿司 宇品店」。
たしかに巨大。
お寿司だけでなく、居酒屋テイストのメニューもある。
握る職人さんのはっぴの背中には、名前と趣味が書かれている。
「釣り」あたりは納得できる。
「インターネット」という方もいた。
キーボードをニ本指揃えて叩くところを想像してしまった。



「私が広島で弾くために」と言いながら、実は、音楽好きな母が触る事を期待して買ってみたウクレレ
チューニングとタブ譜の読み方だけ伝えておいたら、留守中にいじってみたようだ。
しめしめ。
弦が妙な弛み具合をしていたけれど、まあ、いいや。
しめしめ。