[読んだ本だ」1万円の世界地図 −図解 日本の格差、世界の格差−

1万円の世界地図 (祥伝社新書)

1万円の世界地図 (祥伝社新書)

1万円もする地図帳ではありません。
1万円を尺度として、日本国内・世界における経済、文化、教育、福祉・・・・
いろんなものをあわせた「幸福度」を測っていきます。
本の出版は、2007年3月なので、まだまだ新しいデータといえるんじゃないかな。



四季を感じるとき、おいしい水を飲むとき、繊細な和食をいただくとき、日本語の感性が沁みるとき。
日本人に生まれてよかったなあと思います。
シアワセ〜。
インフラが整っていなくたって、1日の収入が1ドル以下であったって、本人がシアワセと感じたら、シアワセなのです。




そんな「幸福度」の主観的な面をちゃんと踏まえた上で、かなりのデータを持ち寄り、地域格差を見せつけ、ランキングという形で表していきます。
評価というものは複数の項目に採点し、総合的にランク付けすることなんだけれども、結局は評価する者がどの項目の点数に重点をおくかなどでランキングは変動してしまいます。
この本では、そんなランキング評価の盲点にも目を向けることで、さらにその地域・国の実態を指摘します。




経済という一面だけでいえば、日本は上位にくるんだろうな・・・



ええっ!



日本の1/4の世帯が貯蓄0!!!!
しかも、西日本へいけばいくほど、貯蓄額が少ない。


おもしろいところでは、同じ職業における世界各地の年収の比較。
なるべく同じ条件にして、バスの運転手・調理師・銀行員・小学校教師・会社の部長クラス・部長付の秘書などが比較されています。


また、マクドナルドは世界中どの店舗でも同じ品質であり、材料費・光熱費・店舗費・人件費でその地域での価格が決められるため、国の経済力や豊かさを比較するのに好都合なんですね。
ビッグマックを1つ買うために働かなければならない時間数を比較すると、東京はたったの10分で世界1位です。
最下位が、ナイロビの69位で91分。



そして、国の発展に欠かせないのが研究分野の充実。
国別のお得意研究分野・研究者数・研究者の密度・開発費・論文数・またその論文が引用されてる回数(論文の実用性の証明になる)と普段目にすることのないデータが山盛りです。



パソコンやブロードバンドの普及率が、日本国内でもこんなに差があるとは驚いた。