生誕100年記念 ダリ回顧展

uiui2006-12-07


なんと、今まで美術にはとんとキョーミを示さなかった娘2号が


「わたしはダリでしょう?」うふっ♪



を連発している。
これは、有給休暇を使ってでも連れていかなければっ!


他の用事もあって休暇をとったので、上野の森美術館へ。
休日はとんでもない混みかただというので、あえて平日に来てみたけれど、それでもかなり混んでいる。
人々の後ろから、背伸び〜。爪先立ち〜。


振り向くと、私より背が高い娘2号はフツーに立っている。
むむぅ。


シュールレアリズムとは、錯乱の組織化」かぁ。
絵なんて、描く人が思った通りを自由に描けばよいというのは当たり前なんだけど、「なんでもアリ」は「なんにもナイ」に埋もれてしまうような気がする。
ダリは、そんな「なんでもアリ」の自由な幻視・幻聴・匂い・記憶にキーワードという柱を立てて、ナイに埋もれないよう組織化させようとしているんだね。
自分の中からあふれる幻想や夢の中から、必要なものをすくいとって、キャンバスに乗せている感じだ。
ダリ自身が自分の絵を理解できないというのが分かるような気がする。



娘2号:この人、天才だね。



その感想を砕いてしまいそうだったけど、ダリの男性としてのコンプレックスや結婚していたガラを奪ったことなどを彼女に耳打ちした。


娘2号:・・・・・


あ?
なんか不機嫌?


こういう世界にとらわれた人は、絵なり音楽なり詩なり・・・アウトプットする手段を持たないと気が狂ってしまうんじゃないかなあ。
自分がこの世界にとらわれたら、つらいだろうなあ。
と思っていたら、横で見ていた人が、


はぁぁぁぁぁぁぁっっっっ・・・・・



大きな大きな溜息をついた。
あちらの世界に行ってしまったようだ・・・・・・






娘が気に入って、ポストカードを買ったのは、
「皿のない皿の上の卵」
「6つの本当の鏡のなかに仮に映し出される6つの仮想の角膜によって永遠化される、背後からガラを描く背後から見たダリ」(立体鏡作品)


私は、「柔らかな三美神のいる神秘的な砂浜」がよかったな。
幻覚と意識が交じり合ってる感じがよく分かるから。
「映画『白い恐怖』の夢のシーンのデザイン」は、こわすぎ。
魚屋に並んでる魚の眼を見ることが出来なくなりそう。


知人のバンドの名前である「Babaouo」の由来も見つけた。
でも、なぜこの名を選んだのかはまだ分からない。


あの有名なチュッパチャプス(棒付きキャンディー)の包装紙は、ダリのデザインによるもので、出口のところに本数くじ付購入機があった。
100円を入れてみたら、2本当たった。



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