教育ルネサンス教師力

教育ルネサンス 教師力

教育ルネサンス 教師力

読売新聞朝刊に火曜から土曜まで掲載されたものが「YOMIURI ONLINE」の教育ページに連載されています。教育現場レポート。
このレポートから抜粋・編集されたものが本になりました。
今の教育に満足しない親や危機感を持つ教育現場(学校・塾・自治体)の思いが動いています。その最前線を追っています。
学力低下にとどまらず、国際競争・心の健康・・・上をのばすだけでなく、底辺を持ち上げる動きもあり、教育の求めるものは膨らみ続けています。

なんといっても、このレポートの更新速度はすごい。
火曜日から土曜日まで毎日。
記事にいつも署名をいれてる「松本由佳」記者は、しょっちゅうそのお名前を見ることになるので、まるで知人のような気分になってしまった。(笑)
淡々とした文章がかえって、それぞれ現場の教育の指標とその手段の熱を伝えてきます。
レポーターの7人の記者たちの身を削るような努力とプレッシャーの賜物という噂も小耳にはさんだし。
雛形のない取材と執筆、そして大きくて終わりのないテーマが毎日Webサイトで支流を作り、いつか大きな流れを作るのかもしれません。

実際、このレポートのペースで読むと、自分もこのペースで動かなければならないような妙な焦燥感に駆られます。
きっと、教育がそれだけ必要に迫られ、動いているということなのだと思います。
でも、その一方で、一体どこまでやればいいんだろう・・・・そんなやりきれない疲労感も。


紹介される教育現場では、勉強だけでなく、学校へ通うこと自体が困難な子供に生きる元気を与えたり、科学を通して地球への興味を持たせたりと、一昔前のエリートコースとは異なった大きな指針も掲げています。
大人たちが犯した失敗(環境破壊とか戦争など)を繰り返さない視野が広くて柔軟な人間になるように・・・・
自分を大事にすることができ、コミュニケーション能力もある・・・・・


どれもすごくて、是非うちの子にも!と思ってしまいそうになる。
「勉強ができる」だけじゃなくて、生きることを楽しむ力がつくだろうなと感じる方策がたくさん紹介されてるから。豊かな感性を磨いて、より多くのことを見たり感じたりできるようになりそうだから。


だけど、大人たちの思いを受けて、子供たちはどこまでやらなければならないのだろう。
先行くおとなたちが用意した将来のために、どれだけ鍛え上げられなければならないのだろう。
粘土のようにやわらかい子供をおとなが一生懸命すばらしい作品に作り上げようとしているようにも感じます。
「子供の持っている可能性を最大限に開花させる」というとすばらしいことのように聞こえるけれど、子供にとってありがた迷惑にならないのかな。
子供は、ITがない世界にいたって、地元の言語しか知らなくたって、幸せに生きるエネルギーを持っているはず。
だけど、今の経済国日本に生まれた子供に与えようとしている幸せはこういった教育でしか得られないのかな。


それにね、最前の教育をあれこれ勉強し、実践するとなると、私個人の生活をすべて教育に注ぎ込まないと無理だ・・・。時間もエネルギーも。
働いてる場合じゃなくなるけど、お金はすごくかかりそう。


こんなにすごい教育メニューを用意して、子供たちをあちこちに動かさなくても、フツーに生活することで自然にちゃんと「教え育まれる」環境(国)であればよいのになあ。
そう考えると、この本が、教育ルネサンスから「教師力」を特に重点的に抜粋した内容となっている意味は大きいと思います。
根が深くて、幹の太い教師と地域の連携があれば、教育メニューをあれこれデリバリー注文しなくても生活の中で教育できるのかも。
子供を育てる土壌作りの方が先決だよね?



ちょうど今、ルネサンスで取り上げられているテーマ「教員採用の現場」もおもしろいですよー。
小中学校の教員採用の倍率は2・3倍なのに高校は100倍以上なんですって!


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