ポンペイの輝き

uiui2006-05-19


授業で触れたりすることで歴史的史的なものに興味を持つようになった娘1号を誘ってみた。

ポンペイ展一緒に行かない?」


「イタリアに行きたい」



「イタリアが来てくれてるんだけど、行かない?」



「イタリアに行きたい」




そんなわけで、気になっていた「古代ローマ都市 最後の日 ポンペイの輝き」展を渋谷のBunkamuraザ・ミュージアム1人で観に行ってきました。



私の人生がまだ半分くらいだった頃(虚)、イタリアを訪れた事がありまして、ヴェスビオ火山の噴火で埋もれた都市の遺跡も見学しました。
だけど、記憶の中で「ポンペイは瞬時に壊滅」となっちゃってるし、あとは、独特の朱色と金色が使われた文化ということしか思い出せなーい。
この展覧会で、流れた月日で捻じ曲がってしまった認識を改めつつ、再び古代ローマ都市へと想いを馳せようという魂胆です。


多少、お化け屋敷風の雰囲気があったような感じもするけど、地域ごと、建物ごとに被害の状況や出土品を展示してあり、噴火から逃げようとして大事な宝飾品や金貨を身につけたままの姿で、噴火のあった西暦79年8月24日午後1時から8月25日で時間が


ふつっ!


とまってしまったのがよく分かります。
「楽しく生活したい」「美しいものを求めたい」という人々の生き生きとした生活が時を越えて迫ってきます。
うん、ある意味、お化け屋敷。


噴火っていうと、
どかーんっ!
ときて、溶岩がドロドロドロドロ・・・・というイメージかな。
はじめ人間ギャートルズ」みたいな噴火ね。
土の性質や温度などにより、サラサラ溶岩くんやドロドロ溶岩くんやモッチリ溶岩くんもあって追いかけてくる速度も違うはずだけど、このヴェスビオの溶岩は比較的「どかーんっ!ドロドロドロドロ」のイメージそのまま(押し付けがましいイメージですみません)みたいです。
で、欠落していた遺跡見学で得た知識。
それは、サージ(灼熱のガスや灰が地表に突風のように駆け巡る)の恐怖。
ナポリ湾へ逃れようとした人々や噴火が弱まる瞬間を狙って逃げようとした人々を逃げようとしたその姿態のまま永遠に止めてしまったのがサージです。
溶岩や噴出物から逃げれば、助かるわけじゃない。



灰や溶岩に埋もれ、肉体はすでになくなってしまった空間にコンクリートのようなものを流し込むと、逃げ遅れた人たちが、布で覆って身を守ろうとしたその姿のまま生々しく浮き上がってきます。
「怖い物見たさ」というよりも古代の文化や生活が、展示されてる50cm先に蘇る感覚がスリリングです。
お母さんと抱き合うようにしていたコンクリートの娘さんも


「もうー、マジで熱かったわよ。逃げようにも灰と煙で真っ暗でさー。せっかくあの日の夜は彼とデートの予定でエステ(古代ローマ文化ならありそう)にも行っといたのにぃ。なに、このコンクリート。チョームカツクー。」


と言っていました。(妄想)


出土品の医療器具は、うちの近所の白ヤギ先生(お年を召された小児科医)なら使っていそうなほど現代の物に近くオドロキ。
金庫(浴槽くらいある)は、ついてる飾りを順番に動かしていくと開くという開錠方式。かっこいいー。パスワードや暗証番号1つで開いてしまうものより、良いのではないかな?



展示室を出ると、隣のカフェで「ポンペイ展フェア」なるものをやっていて、展覧会の入場券の半券を見せると、ポンペイをイメージして用意されたデザート(2種類から選択)と飲み物のセットが割引になるよ。
(画像は焼きメレンゲがのっていて、中はカスタードとスポンジにフルーツソースというもの。
ご当地ではおなじみのスイーツらしい。)
それでも単品で注文しようとしたら、ウェイターさんは当然という感じで「セットのお飲み物は?」と。
こういうのは、断れないのだ。
すぐに「カフェオレ」と答えてる自分がいるのだ。
勧誘やセールスは、ちゃんと断れるのになあ。



遺跡系の展示会で毎回思うんだけど、1つの建物などを発掘するのに四半世紀もかけたりしてること。その労力と情熱には脱帽です。
ポンペイの輝き」展は、6/25までですよー。