蛍・納屋を焼く・その他の短編

螢・納屋を焼く・その他の短編 (新潮文庫)

螢・納屋を焼く・その他の短編 (新潮文庫)

会話・情景・人物描写・・・・それらの「質」が克明に浮き出されているため、視覚的に見えるものがだんだん抽象画のようになっていく村上春樹の短編ワールド。
なにかをつかもうとすると、なにかがスルリと逃げてしまうような感覚はこの本も同じ。
投げやりのような、無関心のような登場人物の行動ですが、体と心に透明の針金がぐるぐる巻きになっているように感じられてしまいます。