ゴールデンボーイ

ゴールデンボーイ―恐怖の四季 春夏編 (新潮文庫)

ゴールデンボーイ―恐怖の四季 春夏編 (新潮文庫)

スティーブン・キング

世の中にコワイものはたくさんあります。
小心者の私としては、朝に鳴るのらくろくん型目覚まし時計のラッパの音も結構こわい。
なので、鳴る前に起きることも多いくらい。


それなのに、事故、災害、殺人、おばけにゴキブリ。
大変です。



だけど、本当にコワイのは、自分の欲望や衝動が自分自身を離れて動き始めること。
知恵や理屈で塗り固めても塗り固めても、それは動き、成長していきます。
しまいに、それは肉体の存在さえ疎み、憎み始めるのです。



とてもコワイけれど、その結末を私たちは毎日のようにテレビや新聞で目にしているように思います。
精神鑑定では異常なしとされる犯人たちの残忍な軌跡。


本当にコワイのは、「それ」が動き始める可能性は全ての人にあるということかな。
外からくる恐怖は、敵がはっきりしてるけど、内にある寄生虫のような恐怖と闘うというのは、
簡単ではなさそうです。